これ、かなり空気が強いです。
最初からやさしい世界じゃないのがはっきりしていて、
読んでいてずっと少し息が詰まる感じがありました。
でも、その重さがただ暗いだけじゃなくて、
ちゃんと先を見たくなる重さなのが好きでした。
世界の仕組みも、兵器も、戦いの理屈も物騒なのに、
説明を読まされている感じより、
危ない人たちの会話とか視線の温度で入ってくるのがいいです。
特にヴァニタスの存在がすごく怖いです。
強いから怖いというより、
人を人として見ていない感じがずっと不穏で、
出てくるだけで空気が変わるのが印象に残りました。
その中で、エドガーやヴェルみたいに、
まだ何者にもなりきっていない側の気配が入ると、
余計に不穏さが増してくるんですよね。
「これは王道では無い。」
この一文、読んでみたらかなりしっくりきました。
ただ派手なだけじゃなく、
最初の段階から“まともには進まなそう”な匂いがちゃんとある。
この先どう転がるのか、
クセになる作品でした。