第40話 きいろい なつの再起⑤
次々と届く、無邪気で、浅ましくて、吐き気がするほど純粋な感謝の通知。
彼らは知らない。俺が彼らの作品なんて一行も読んでいないことも。その「切磋琢磨」という言葉の裏に、俺の成り上がりのための『使い捨ての尖兵』になれという命令が隠されていることも。
まずはこうして、承認欲求に飢えた小魚をかき集める。
俺が☆をひとつ投げれば、彼らはその十倍の熱量で俺の作品を宣伝し、拡散し、神格化してくれる。
初心者たちの「純粋な推薦」ほど、何も知らない一般読者に突き刺さる武器はない。
「感謝しろよ。お前たちの無価値な文字に、俺が『踏み台』としての唯一の価値を与えてやるんだからな」
指先が機械的に次のターゲットを選別していく。
この「切磋琢磨」という名の儀式が終わる頃、俺の背後には、俺の言葉一つで動く、自我を失った宣伝部隊が出来上がっているはずだ。
結果こそが全てだ。情けも、良心も、前の俺と一緒に死んだ。
さあ、宴の始まりだ。
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