第37話 きいろい なつの再起②


 ​「……さて。慰めのコメントを寄せてくる連中の顔が目に浮かぶよ」


 ​俺は背もたれに深く寄りかかり、暗い部屋で一人、口角を歪めた。

 彼らがこれから読むのは、心温まる再起の物語ではない。


「自分たちが応援している作家が、徐々に壊れていく」という過程をリアルタイムで目撃させられる、最悪のモキュメンタリーだ。

 

​「カテゴリーエラー」という事故さえも、俺は利用する。


 前の俺が絶望したその現象を、「何者かに意図的に操作された怪異」へと仕立て上げる。

 事実に嘘を混ぜるのではない。嘘の中に、抜き差しならない事実を埋め込むんだ。

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