第36話 きいろい なつの再起①

「おはようございます。■■■です。昨日は、ショックでしたけど、またいちから頑張りますね。幸いにも応援してくれる人がいるから……。励みになります。いいなと思ったら、☆があると嬉しいです」


 ​――ふん。こう書いておけばいい。

 ​テンプレート通りの殊勝な態度。傷ついたふりをして同情を誘い、おこぼれの評価(☆)を乞う。吐き気がするほど使い古された、負け犬の処世術だ。

 だが、まずはここからだ。この「健気な被害者」という化けの皮が剥がれる頃、読者どもは取り返しのつかない深淵に引きずり込まれている。

 ​俺は端末の画面を冷ややかに見つめ、投稿ボタンを叩いた。

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