時代が変わっているのに

星之瞳

なんでこんなの作らなくてはいけないの!

「うーん。どうしよう?」

「どうしたんだ由美子」

「今日幼稚園の入園説明会に行ってきたんだけど、手作りしなくてはいけないものがあって」

「手作り?」

「ええ、お道具箱が入る手提げ、体操服入れ、コップ入れ、上履き入れ。家にミシンは無いし、どうしろって言うの。私の子供の頃にもあったけど、時代が変わってるのに、だれが作れるって言うのよ!私お裁縫苦手だって。ネームシールを貼ったり他にもいろいろ準備する物多いっていうのに、園で指定して買うだけにして欲しわ!!」

「それはそうだ。でもさ、君が子供の頃もあったんならお義母さんに相談してみたら」

「そうね、電話してみるわ」


私はスマホを取り出すと母に電話を掛けた。


『はい、高松です』

「あ!お母さん、由美子。ちょっと相談があるんだけど」

『何?』

「美咲の入園準備で、手提げとか作らないと行けなくて、家にミシンは無いしどうしようかと思って」

『え!まだそんなの作らないといけないの?今のお母さんたちって忙しんじゃい?』

「そうなのよ。それで相談しているわけ」

『そうね、大きさとかを書いたプリントはあるのよね』

「うん」

『それなら、うちに来て作ったら?教えてあげるわよ。ミシンは危ないから美咲ちゃんを見ていた方がいいだろうし』

「いいの、助かる。明日にでも話しに行っていい?」

『明日ね、えっと、予定は入ってないようよ。昼前にいらっしゃい、ショッピングモールに布と必要な物買いに行ってついでにお昼食べてもいいし』

「ありがとう。そうする。11時ごろ行くね」

『待ってるわよ』

私は電話を切った。


「お義母さんなんて?」

「あした布買いに行くことにしたわ。そして教えてくれるって。助かった!!!」

「よかったね、それだったら何かお礼しないとな」

「明日お昼食べようって言ってたからお昼代出すわよ。あまりお礼してもお返しが恐いし」

「そうだな、お義母さん何か贈ると倍になって帰ってくる感じだもんな」

「そうなのよ。逆に気をつかうわ」

私はそう言って笑った。娘に明日バーバとお出かけすると言うととても喜んだ。


翌日私は実家を訪れた。チャイムを押すと。ドアが開いた。

「待ってたわよ。美咲ちゃんこんにちわ」

「バーバこんにちわ」

「さ、入って」母は私達を招き入れた。お茶とお菓子を出してくれて美咲はバーバの膝の上に座った。

「プリント見せて頂戴」私は園からのプリントを渡した。暫く母はそのプリントを見ていたが

「あんまり昔と変わっていないわね。これなら作れるわよ」

「本当!私お裁縫下手だよ」

「簡単なものから順に作って行けば大丈夫。さ、少し落ち着いたら布を買いに行きましょう」

「バーバ、布って?」

「美咲ちゃんが幼稚園に行く時の物をママが作るのよ。美咲ちゃんが布選んでね」

「え!嬉しい」美咲が声を上げる。

「用意してくるからちょっと待ってね」母はそう言うと部屋を出て行った。

暫くして戻ってきた母は戸締りを確認し、私たちはショッピングモールへと向かった。

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