10話「虚言?いや、有言実行!」

とは言ったものの――

一気に相手をするのは、正直骨が折れる。


殺すだけなら、話は早い。

だが、言ってしまった以上はやるしかない。


「殺さず、完封」


……難易度、高すぎだろ。


正義マンたちは陣形を保ち、じりじりと距離を詰めてくる。

目は鋭く、口は饒舌。

だが――考えているようで、実のところ“団体行動”以上のことはしていない。


墨「……いや、考え直すな」


独りごちる。


墨「言ったからには、だ」


出来れば、これを人前で使いたくはなかった。

だが背に腹は代えられない。


――派閥の合わせ技。


墨「……スチームアップ」


魔法派の術式が展開され、周囲の水分が一気に蒸発する。

同時に、左腕の義体内部で科学派のエネルギー変換機構が起動。


蒸気は逃げ場を失い、圧縮され、

力へと変換される。


墨「……早く、攻撃できる」


その言葉と同時に――


左腕を、横一閃。


ドンッ!!!!


圧縮された衝撃が、空間ごと薙ぎ払う。


正義マンs

「「「「「「「ぐわぁぁぁ!!」」」」」」」


七人全員が、まとめて吹き飛ぶ。


墨「……あ」


思ったより、飛んだ。


一人、また一人と民家の壁を突き破り、

さらに奥のゴミ置き場へと転がり込んでいく。


埃が舞い、街が静まり返る。


墨「……制御、まだ甘ぇな」


腕を振った感触が、じんと残る。


墨「殺してねぇよな……?」


返事はない。

だが、倒れた七人は全員、動いている。


――完封。

最低限の約束は、果たした。


墨「……さて」


周囲の視線が、一斉にこちらを向く。


これはもう、

穏便に済む空気じゃない。


墨「……闘技場行き、か」


嫌な予感しかしねぇな。

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