閑話休題「カギヅメの転換日」

はぁ……どうやら、あのヘンテコハンドはもう森から消えたようだ。


これでもう、俺を超える力を持つ存在は――

(キメラや魔物を除けば)この森にはいない。


カ「はは……勝ったな」


さぁ〜て、今日はどんなごちそうにありつけるかなぁ〜……。


カ「やべぇやべぇ!! たすけてぇ!!

ごめんって!! そんな切れるとは思わなかったんだよぉ!!」


背後から、四本角のオークが地鳴りを立てて迫ってくる。

怒り狂った顔。

完全にブチ切れている。


通じるはずもない言語で謝罪を繰り返しながら、

俺は一日中、森を逃げ回る羽目になった。


……死ぬかと思った。



時刻はすでに夕暮れ。

腹は空っぽ、足は棒。

非常に、まずい状態だ。


……今思えば。


この森で暮らすより、

あいつらについて行った方が、よほどマシだったんじゃないか?


食物連鎖の最下層で、

今日も命を狙われる生活より――


カ「……そういうことか」


あいつらは、俺を救いに来たんだ。

きっと、そうに違いない。


だって、あの時――

切られたのに、痛くなかった。


むしろ、なんだか……

胸の奥が、少しだけ軽くなった気さえした。


カ「……なるほどなぁ」


そう考えると、話は早い。


カ「ちょっと遅くなったけどさぁ!

俺もその旅に、連れて行ってくれぇぇぇ!!!」


悪魔の力を得たおかげで、

俺の五感は他の生物より、圧倒的に優れている。


――だから。


あいつらの匂いを辿るのなんて、朝飯前だ。

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