椿大社
逢坂らと
其の一
おかしいほどに鳥が鳴いている、
それは寒い寒い朝方でした。
私は神社に来ていました。
人はほぼいない———
私と、白い犬を連れた老人が1人いました。
椿の花というのは、すぐに落ちる。
ただ、
この神社の椿はなかなかに長く咲いていると思う。
まず、道の途中に赤い
そこを
駐車場の道を通り、自転車を止める。
車のお祓いを見ながら
左手、右手、そして口の順に清め、
古い大きな鳥居の前でお
前へと進む。
前より少し、
本殿に向かうまでの間に、
一つ一つにお
その先が本殿だ。
本殿にお参りをして、おみくじでも買おうと思った。
ふと、私と老人と犬意外に、
参拝者がいることに気がついた。
それはそれは綺麗な女だった。
まるで花嫁のように飾られた女だった。
いや、実際ただ参拝しに来ただけだろうが、
肌が白く、口が赤い。
花嫁の化粧のような顔だったのだ。
私の胸が迅速で鳴った。
そんなベタな言葉でしか表せない。
とにかく鼓動がうるさいのだ。
私は己を落ち着かせて、おみくじの場所へと向かう。
おみくじを引いた。
「23番です」
そうして渡された結果は、吉。
去年も吉だった。
少し呆れつつも、中身を読んでみる。
【待人来たる】
その一文が真っ先に視界に入った。
それしか見ることができなかった。
他の項目に、目が動かないのだ。
…気のせいだ、と思いながら
お食事でもいただこうかと、
食事処へ向かう。
「もし、そこの貴方。
ハンケチ、落としましたよ」
振り返ると女神がいた。
近くで見るとより美しかった。
私は我を忘れて、ぼーっと彼女を見つめる。
「あ、あの……?」
ハッ、え?え…いや…ありがとうございます。
そして私は顔を赤らめながら、
そそくさとその場を去った。
食事処へ着くと、人が沢山いた。
しまった、もう来てしまったのか。
空いていると思ったのに。
椿大社 逢坂らと @anizyatosakko
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