《入学直前TSした親友を隠す話》〜このことを知らない同級生からバレないように全力で隠し通します〜
イカ天
第1話 始まり
『暖かな日差しとともに吹く風が心地よく感じられる季節と〜…』
体育館に、新入生代表の生徒の声が高らかに響く。
今日はこの高校の入学式で、僕、
しかし、僕には一つ気がかりなことがあった…。
ーーー今朝ーーー
入学式の支度をしていた時、スマホからメッセージの通知音が鳴った。
(今忙しいのになんなんだよ…。)
見ると、僕と同じ高校に進学することになった僕の親友、
『すまん今日休むわ』
「お前マジで言ってんのか」
あまりにも唐突な事だったので、少し語気が強くなりながらも返信をする。
(今日は入学式だっていうのに…。)
『本当に申し訳ない、ちょっと色々事情があってな、まあ気にすんな笑』
『出来れば今日入学式終わったら会えないか?俺ん家で頼む』
(事情ってなんだ…?まあ、あいつが元気ならいいが。)
「分かった、終わり次第連絡するわ」
そう返信して、僕は支度を再開した。
ーーー現在ーーー
せっかくの入学式なのにあいつがいないのは僕にとって寂しいものだった。
ただでさえ僕の数少ない親友なのに…。
しばらく経って、ようやく入学式が終わった。
なんせ元いた中学校からこの高校に進学したのは僕と葵だけなので、どうにか新しい友達を作ろうと必死だった。
(やっと帰れる…。)
そう思った矢先、今朝のやり取りを思い出す。
(あいつの家寄ってから帰るか。)
「入学式終わったわ」
と、葵にメッセージを送る。
一瞬で既読がつく。何してたんだあいつ。
返信が来た。
『待ってる』
『覚悟しとけよ』
「おう」
覚悟ってなんだよと思いつつ、僕は葵の家へと足を運ぶ。
少しして葵の家に着いた。
僕の家とも徒歩1分くらいの距離だから楽でありがたい。
「着いたわ」
メッセージを送信し、葵が出てくるのを待つ。
ガチャと音が鳴り、玄関の扉が開く。
するとそこから出てきたのは、見たこともない美少女であった。
僕と同年代くらいであろうか。いや、僕より年下かもしれない。その子は少し幼いようにも見えた…気がしないでもない。
なんせ女性経験が少ない僕にとっては、年齢の判別どころか、顔を合わせるのすら難しかった。
しかしこの子は一体誰なのだろうか。あいつは一人っ子だし彼女もいない。いるとしたらなんだか裏切られた気持ちだ…。
「すみません、親戚の方ですかね…?僕は春日部葵さんに用があって来たのですが、今いらっしゃいますか?あ、僕は冬木って言います。葵の親友です。」
見たこともない美少女を目の前に、つい早口になってしまう。
『あ〜やっぱわかんないもんか〜』
彼女が口を開いた。
想像していたよりもかなりラフな話し方である。
というかこれ、なんだか妙に聞き馴染みがある話し方だ…。
『俺だよ俺!春日部葵!』
僕の脳が思考を一時停止する。
何が起きているんだ。
春日部葵は確かに男だったし、頭がいい上にコミュ力が強い、僕の親友であり尊敬する人でもあった。
その僕の記憶の中の春日部葵と、今目の前にいる「春日部葵」は似ても似つかないものであった。
しかし、どんなに外見が違っても、何故か僕の頭はこの子を僕の親友である春日部葵だと、何となくの感覚ではあるが今まで通り認識していた。
「ほ、本当にお前、葵なのか…?俺がおかしくなったのか…?」
『ちょっと、な笑』
『まあ入れよ。詳しくは中でゆっくり話す。』
そう言われ、僕は葵の部屋へと入って行った。
次の更新予定
2026年1月16日 07:10
《入学直前TSした親友を隠す話》〜このことを知らない同級生からバレないように全力で隠し通します〜 イカ天 @ikaten_
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