1話


「色館って聞いたことある?」




そう話しかけてきたのは、私も所属している都市伝説や噂について調査する調査団の団員の一人だった。色館…?色館とはなんだろうか。




「聞いたことない…かな。」




私は少し聞いたことがあったような気がしたものの、思い出せなかった。




「色館はね、最近巷で有名な建物のことなの。噂で埋め尽くされてるから、何が真実なのかはわからないけれど。調べてみたくなったから。」




そう言われて思い出した。最近、街中でよく聞く噂だ。




ある人は「お化けが住んでいる」と。


またある人は「不思議な世界に迷い込む」と。


またまたある人は「ただの」だと。


またまたまたある人は「色館についてしゃべろうとすると亡くなるから」だと。




様々な噂が飛び交っている信憑性のない色館という建物。




「聞いていたら私も興味が湧いて来た。私ももっと知りたい。」




「なら今から色館に行かない?」




「行く...?場所が分かってるってこと?」




「う〜んと、正確には色館だと思われる場所かな..。でもどう!?何かありそうじゃない!?」




「思われる場所....?うん。確かに何かありそうだ。行ってみるのもいいかもしれない。嘘だったなら直ぐに帰って来ればいい。」




「やった!そうと決まれば色館へレッツゴー!」




そう言って私たちは準備し直ぐに色館へと向かった。


そして少し時間をかけて山を登り、森を抜け、大きな橋を渡り、ようやく色館だと思われる建物の前に着いた。ここまでかなり時間をかけてきたので噓でも何か一つでもあってほしいところだが…




「かなり大きな建物だね…。館に見える。昔、貴族でも住んでいたのかな....?」




「あ!この扉から入れそうだよ!」




「本当だ…。鍵が開いてる…。」




「折角ここまで来たんだから入ってみようよ。何かあるかも!」




「そう…だね。行ってみようかな。」




そういって私たちは建物の中にへと入っていった。入った先は外の古ぼけた感じとは打って変わって、だった。入り口の扉は大きく、大きなガラスのシャンデリアが吊るされている。とてもきれいに輝いていて、まるで別世界に来たようだった。




「すごくきれいだね。外とは大違いだ。見比べてみようかな。」




そういって扉を開けようとした瞬間、先ほどまでは開いていたはずの扉には鍵がかかっており、外に出られなくなっていた。私は急いでほかのところから出られないかと窓の外を見たが、見えた景色は私たちが元々いた場所とは大きく変わっている。ここはどこだ。まるで異世界にでも来たみたいだ。




異世界....?あれ....?目が…開けてられな…い…?




その時一つの声が聞こえた気がした。ぼやける目で声が聞こえたほうを向く。そこには高すぎもなく、低すぎくもない背丈をした、執事のような恰好をした人物が立っていた。




???「色館へようこそ。お客様。」




声も中性的で性別は判別できない。掠れた目でその人物の顔を見ようとしたが、辺りはいつの間にか真っ暗で何も見えなくなっていた。姿も見えていたはずなのに、真っ暗で認識できない。




そして私はいつの間にか完全に目を閉じていた…。






  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る