メロンソーダ

@koko12345

第1話

仕事に疲れた私はとある喫茶店を訪れることにした。いつもは念入りに調べて迷子になることなく最短ルートでたどり着けるようにするほど真面目ちゃんタイプなのだが、今回はあえて最寄り駅と建物の外観だけ調べてたどり着けるかチャレンジしてみた。


・・・もちろん迷子になった。いつも念入りに調べる理由は自分が方向音痴だからだ。ただ迷子になったおかげで近くに荘厳な神社があることを知ることができてなんだか得した気分になった。スマホではなく建物を見ながら歩くため、今度来たときに入ってみたいお店もなんとなく目星がついた。


一番気になったのはブレスレットを手作りできるお店だ。最近運に恵まれていないような気がするから私にぴったりである。普段の習慣としてアゲ鑑定しかしない占い師に月1で今悩んでいることを話し、(まぁカウンセラー的な役割なのだが)自分がまあまあ順調に生きられるようにしている。

だが、お守り的な何かを身に着ければ、運が良くなり自分の心が安定するのではないかと思うようになってからは何かしらかわいいアクセサリーを買おうと思ってた。ブレスレットはちょうどいい気がする。来週くらいに訪れてみよう。


やっとたどり着いたと思ったら、ドアが開かない。まさか今日は休日なのかと不安になったが中に人がいる。手動なのかと思い、手を伸ばすが自動ドアと書いてある。立ち位置を変えたりして挑戦してみたが無駄だった。あきらめて近くに置いてある水槽の魚を眺めていると、店のおばあちゃんがドアを開けてくれた。やっと中に入ることができた。


店内は昭和のレトロな喫茶店のような装飾で、馴染みのない私はワクワクしていた。QRで読み込んで注文する仕様でもなければ、呼び鈴もなく、手を挙げて注文するスタイルだった。


「すみません」

「はい」

「メロンソーダを一つ」

「メロンソーダですね。かしこまりました」


周囲に目を配ると、若い女性客が多かった。(レトロな喫茶店は若い女性が好きそうではある。)

しばらくしてメロンソーダが届いた。


普段飲み物はお茶しか飲まない私にとってメロンソーダは新鮮であり、子供時代を思い起こさせた。父親と一緒によく飲んでた記憶が少しばかり残っている。(ちょこんと乗ってるバニラアイスクリームが好きだったんだよな。)


アイスが溶ける前に先に全部食べ、その後喉に流し込みシュワシュワを味わった。


今度また疲れたときにここに来ようと思った。

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