未来ノートと共にハッピーエンドを
@sink2525
第1話
子どもの時未来ノートなんてあったらいいなと思ったことがある。理由は簡単で、告白とかの結果が分かるからだ。未来が見えるのなら失敗なんてしないし後悔することなんてないと思うから。
そんなバカみたいな考えを持っていた。
ただ実際未来ノートなんていうのが在ったりしたらどうなってしまうのかを真剣に考えてみた。
悪用する人。誰かのために使う人。自分のために使う人。いろんな人が居ると思う。
ではいったい何故そこまで真剣に考えているのかと問われたら答えは簡単だ。
目の前に未来ノートがあるからだ。何を言っているんだ? と思うかもしれないが俺は紛れもない真実を口にしている。
教科書二冊並べられるくらいの大きさの机には、ポツンと置かれた未来ノートがある。今日の朝登校して教科書を入れていると見つけたのだ。
そして今このノートが本物なのか、それとも誰かからの悪戯なのかで悩んでいる。そう悩んでいるのだ。
こういった悪戯をするような友達が居ないからである。元々あまり社交的ではないため親しい友人がいるわけでもなく彼女もいない。
何を言おうボッチなのだ。だから俺なんかに悪戯をするような人はいない。まして未来ノートなんていう意味の分からないタイトルを付けたノートを入れる人はいないだろう。
そう思っている。だけど、どうしてか先ほどから胸の鼓動が抑えることができないでいる。もしかしたらこれは本物であるんじゃないかと。未来について明確に書いてあるんじゃないかと思ってしまうのだ。
俺はゆっくりと未来ノートに手を伸ばす。窓からの朝日でノートが光る。それはまるで物語の始まりの一ページかのように。ドキドキとワクワクが高まっていく。
ページをゆっくりとめくる。
「この日記が届いていることを願う。このノートは本物だ。未来について分かることができる。ただ深く説明することはできない。してしまえば未来が変わるかもしれないからだ」
異様とも言える内容がそこには書いてあった。よくアニメやドラマで観るような書き出しと焦っているような字がそこには刻まれている。
何かを伝えるためのような。
「さて、このノートの話をしよう。君は
そこには俺の名前が書かれていた。はっきりと。これはいったい何なんだ? 何故俺の名前を知っているんだ? どうして?
頭が混乱してしまう。いまいち状況が掴めない。でもこれだけは分かる。ふざけてやるような悪戯にしては出来過ぎている。
「この未来ノートは一日に一ページだけ書かれる。その日に起こることが大まかに書かれてある。きっと今のお前は混乱しているし状況を掴めないでいるだろう。だけど、信じてほしい。今日からが救えるチャンスなのだから」
文字を指でなぞっていく。最初のドキドキは既に無くなっていた。今は好奇心が溢れていた。これ以上読んだら戻れなくなる気がする。だけど読みたい。
この未来ノートは何を示そうとしているのか、何を伝えたいのか。
「覚悟があるのなら、ちゃんと最後まで頑張れ。お前ならできる。必ずな」
励ましの言葉と共に書かれている文字は微かに歪んでいた。
まてまて。一度状況をちゃんと理解しよう。未来ノートを閉じて椅子に背中を預ける。
ぼんやりと天井のシミを眺めながら思考を巡らせる。
整理してみると。
この未来ノートは本当に未来から来ている。
内容的にも何かを全うしないといけない。それは覚悟がないとできないこと。
そしてそれをしなければいけないのは俺。
なるほど分からん! なんで俺なんだよ。俺は何もできないぞ? ノートをガン見して顔を歪める。
はぁ、興味はあるしやってみる価値はあるな。めんどくさかったら辞めたらいいか。
未来ノートに手をやりページをめくる。
文に目を通そうとしたとき不意にドアが開いた。まるでこのタイミングがベストだと言うかのように。
「君が告白して失敗した彼女――
ドアに視線をやる。そこには正真正銘の彼女――樋口花がそこには居た。
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