お家復興の為に今日も俺は戦う【カクヨムコンテスト11 短編 お題フェス 手】

ナナシ(仮)

第1話

「なあ、りん? 俺達そろそろ迷宮ダンジョンの中階層に進んでも良いと思わね?


堅物の藤吾とうごにお前からも一言、言ってくんねえかな?」


「ダメだよ、優樹ゆうき兄さん。


 藤吾さんはリーダーなんだし、言う事を聞かないと。

 それに正直私達じゃ、まだ中階層は手に余るわよ」


「そうかあ、俺達と藤吾と燈里とうりの四人なら楽勝だと思うだけどなあ」


「この間、花室はなむろさんにも止められたばかりじゃない!


 絶対ダメだからね!


 私も絶対賛成なんかしないから!


 余計な事を喋ってないで、武器とか防具の手入れはちゃんとしたの?


 新人の時も言われてたでしょ?

 長生きしたかったら自分の装備は手入れは怠るなって?」


「心配しなくても、ちゃんとやってるに決まってんだろ?

 迷宮ダンジョン探索はお遊びじゃない。

 命懸けの仕事って事は、お前だけじゃなくて、俺も良く解ってるに決まってんだろ?」


「なら、もっと慎重に行こうよ?


 最近の優樹兄さん、何か焦ってるって言うか、うかれてるって言うか……。

 解った! 花室さんでしよ?」


「ち、ちち違えよ?」


「早く花室さんと同じBランクに上がりたいんでしょ? ランクがDのままだと、告白し難いって思ってるからでしょ?」


「そ、そそんな事ねえし?」


「はぁ、優樹兄さんって、本当にバカ。


 焦って無理をしてる所を見られて、止められたんでしょ? なのに同じ事を繰り返してたら、今度こそ嫌われちゃうよ?」


「う、うぐっ」


「本当、しっかりしてよね!

 優樹兄さんは栄えある神縄かんなわ家の当主でもあるんだから、焦って迷宮ダンジョンであっさり死んだらどうするの!」


「お、お前がいるだろ?」


「あのね、迷宮ダンジョンで優樹兄さんが死ぬって事は、一緒に迷宮ダンジョンに潜っている私だって無事な訳ないでしょ!


 いいの? 分家の奴等に神縄家が好きにされても!


 お父さんとお母さんが死んじゃった時の彼奴等がした事を忘れた訳じゃないでしょ!」


「解った、解った。 俺が悪かったって。

 今は力を手に入れる為に慎重に一歩ずつだろ?」


「解ればよろしい。


 花室さんに密告すチクるのは勘弁してあげる」

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