シズかなる演算-僕とAI家政婦との対話-

mononoe

プロローグ

各家庭に、AIを搭載した家電が一台はある。

そんな時代になって、もうずいぶん経つ。

僕は今、最新型のAIを搭載した家政婦型アンドロイドと、二人で暮らしている。

――いや、正確には両親もいる。

ただ、仕事の都合でほとんど家にいないだけだ。

両親は忙しく働いている。

その分、生活能力のない僕のことを心配して、家政婦型アンドロイドを導入してくれた。

かなり高額だったらしいが、両親はそういうところを気にしない。

どうやら、僕が思っている以上に金を持っているようだった。

そうして始まったこの暮らしも、もう四年になる。

その間に、僕は大学生になった。

専攻は情報工学と哲学。

コードを書く時間と、定義の曖昧な言葉について考える時間は、だいたい半々くらいだ。

家では彼女が食事を作り、洗濯をし、必要なら会話にも応じる。

それを特別だと思ったことはない。

便利で、静かで、正確で――

少なくとも、問題はなかった。

問題があるとすれば、物事を考えすぎる僕のほうかもしれない。

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