演目2: ――人生、いろいろ。《四十路版》――

 うちの人生はいろいろだ。


 今生きることが精一杯だったり。


 子どもとの入浴時の言い合い。


 どれだけの人が【満足】いく人生を謳歌してようか。

 


 例えば。


 宝くじが当たる。


 結婚式を行う。


 人生を左右する問題を円満解決している人も、また、どれくらいいるのだろうか。


 うちたちは泣いて産まれて来た。


 それでも最後は畳の上、安らかに眠りたいと足掻くだろう。

 


 人生、いろいろある何%が【こうなりたい】と願った夢を叶えただろう。


 少なからず。うちは結婚より子供が欲しくなんやかんや三十路後半、ある種の高齢出産に及び、元気な娘ちゃんを爆誕させた。


 親が死に。兄弟も死んだあとに残るうちには何もないことが怖かった。


 親戚付き合いなんかした覚えもない。つまり援助なんかないのである。


 老後の貯蓄もなく、孤独死まっしぐらだということは恐怖だ。


 光りが欲しかった。

 


 あとは親がいる内に。という気持ちもあるにはあったが、完全なる甘えには変わりない。


 出産後。二ヵ月後には保育園に入ることができ、職場復帰を果たす。


 高齢の親には頼りっぱなしだ。迎えと祝日、弁当作り。ごめんなさい。


 少なからず。私の【こうなりたい】はどれくらい叶ったのだろうか。


 親になりたい。


 手取りのいい就職先に行きたい。


 ボーナス欲しい。退職金は欲しい。

 

 コンテストの読者選考に通過したい。


 書籍化したい。

 


 ああ。ぜんっぜん、叶っていないではないか! どうしてだ!


 

 才能か。才能なのか。才能なんだろう!!


 非凡でもいい書き続ける才能をくれ! 寄越せ!!



 最近、娘ちゃんにもうちが小説を書いてるって話してるから、自分でも書くというようになった。ちなみに七歳児だ。

 


 娘、原案。母親のうちが文章。


 娘ちゃんの【こうなりたい】の手助けすることが許されるのなら、うちは幾らでもあなたの作品を文章にしましょう。


 うちには書き続けることしか出来ない人生です。あゞ、これぞ悦びです。


 生み出し続ける人生こそ、うちが望んだことです。


 まだ人生の高見にはいません。スタートラインにも立っていないアマチュアです。



 出産後。転機がありました。


 うちの人生は一人だけのものではないという実感。


 産後の夜泣き。娘ちゃんを抱きかかえミルクを飲ませ、アニメを観ました。

 

 黄昏泣きのときには外に出て、夕焼けを一緒に見た時間は忘れない。


 娘ちゃんも大きくなるにつれ、イケメン大好きな女の子に成長。


 うちが食べられないものを食べる。食事の好き嫌いがあるうちの人生楽しくなさそうと昔の職場の上司が言いましたが、娘ちゃんは人生楽しく生きていくんです。


 七歳児の時点で、親をとうに超えてしまった娘ちゃん。


 貴女は書籍化作家になれるのかもしれない。


 貴女が【こうなりたい】と望むのであれば叶うのでしょう。

 


 羨ましい。いいなぁ。そうなりたかった。うちの悶絶がわかるでしょうか。


 ですから。うちの人生は貴女のために【こうなりたい】と書き続けます。



 人生を楽しみましょう。



 いろいろいろいろいろ――……いとをかし。

 


 うちの才能開花はいつやろな。

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