中学生の髪のはなし

広瀬涼太

中学生の髪のはなし(前振り)

 久しぶりに、母校である中学校のそばを通る機会があった。

 正確には、車で通る機会はあったけど生徒たちをちゃんと見る機会がなかっただけかもしれない。


 なんか、女子の制服のスカート、短くない?


 いやいきなりブラウザバックしないでいただきたい。別にセクハラ目的ではない。

 自分が現役の頃、昭和後期には校則でもっと長かった。


 筆者の記憶が確かならば、ひざ下10cm以上長くないといけなかった。

 単なる決まりではなく、週に何回か、校門で教師が定規を持って待ち構えていて、短そうな女子をチェックしていた。

 問題は、その監視役の教師が女性だけではなかったということだ。

 令和の世なら大問題となったであろう。

 昭和の末期にはまだ、そんな理不尽な話はたくさんあった。


 それを女子たちがどう思っていたかとか、校則に背いた女子がどうなるかとかは、詳しく知らなかった。ほぼ女子に縁がなく、そんな話をする機会もなかったから。


 女子が少なかったわけではない。1学年7クラスあった大型校で、女子は男子よりやや少ない程度。

 だから同学年の女子は少なくとも百数十人はいたはずだ。


 ただまあ、どう接していいのかよくわからなかった。

 陰キャなどという言葉はまだなく、それに該当するのは根暗という言葉だった。

 一応成績は良かったので、テストの後などは男子だけでなく女子からも質問されたりはしていた。嫌われていたわけではなかったようだが、その先はなかった。


 ただ、自分のコミュ障ぶりとはまた別に、異性運はなかったと思う。前世で何かやらかしたんじゃないかと思うくらいに。


 中学時代はある理系の部に所属していたのだが、5学年分……自分が1年の時の3年生から、3年生の時の1年まで、のべ70~80人の部員がいた記憶があるが、全て男子だった。女子はただのひとりもいなかった。

 くどいようだが、男子校では断じてない。


 まあ、本格的な理系とはそんなものなのかもしれない、と当時は思っていた。

 そのせいで、先輩後輩の女子とはほぼ縁がなかった。


 その後は、理系の女子はいるけどかなり少ないことが分かった。

 ただ、大学の時も筆者の入ったサークルは筆者の代だけ女子が実質ひとりだけという、訳の分からない事態が発生したりもした。


 まあ、もうかなり昔のはなしである。


 さて、延々書いてきたが、実はここまで前振り。


 当時、筆者の母校だけでなく、神戸市の中学校には男子にとって理不尽な校則があった。

 ある意味、女子のスカート丈以上に。


 それは、男子は頭髪を5mm以下の丸刈りとする、というものだった。


(後編に続く)

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