第9章:選択の夜
スマホの電源を入れるか、入れないか。
それだけのことが、こんなにも重く感じるなんて。
美月は、指先を宙に浮かせたまま、画面を見つめていた。
通知はゼロ。誰からも連絡はない。
でも、もし電源を入れれば――警察に追跡される可能性がある。
(でも……このままじゃ、私が“殺したこと”になっちゃう)
彼の顔が、記憶の奥から浮かび上がる。
怒鳴り合い、泣き、傷つけ合った日々。
でも、最後に見た彼の姿は――ただ、静かに倒れていた。
「……私じゃない。
でも、私が黙ってたら、誰かが罪をかぶるかもしれない」
その“誰か”の顔は、ぼんやりとしか思い出せない。
でも、確かに“誰か”がいた。
あの夜、あの家の前に。
美月は、スマホを手に取った。
電源ボタンを、そっと押す。
画面が光り、時間が表示される。
その数字が、現実に引き戻す。
(……逃げるの、やめよう)
彼女は、連絡先一覧から“最後に登録した番号”を選んだ。
それは、彼の名前の下に、こう表示されていた。
「緊急時:霧ヶ峰署・霧島刑事」
次の更新予定
2026年1月22日 07:00
2026年1月23日 07:00
2026年1月24日 07:00
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推理はAIに任せてます-霧ヶ峰・照明偽装事件ファイル @ykinoshita36
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