幽霊の見える女子大生の主人公と、魔を破るバイトをしている青年が霊障絡みのトラブルを解決していくといったお話です。
現在大きなエピソードが2つほど終えられている所なのですが。
ちゃんと風呂敷を広げて、きちんと畳めている作品です。
なんというか、ダメなオカルト作品にありがちな投げっぱなし感が無く、ちゃんと話の整合性が取れています。
主人公が霊が見えて、相方の青年が魔を払う仕事をしているってオカルト的な要素もあるんですが、それは主に過去に何があったのかを推理する、伺い知るために使われます。
そういった「過去に何があったのか」という設定がきちんと用意された上で、オカルト的な手段で解き明かされていくので、なんかこう、読んでて安心感があります。
「謎パワーでなんか解決!」とか「超常現象って不思議な事が起こるよねー怖いよねーわかんない事だらけだよねーだって超常現象だもん、からの投げっぱなしエンドォォ!」みたいな事はありません。
ある種ちゃんと式の成り立っている数学の計算を見るような、そんな納得感が読んでてあります。
んで、これ個人的には「ミカド」と呼ばれる主人公の相方が面白くてですね。
この相方が実に「イイ」性格をしてまして。
なんかもう、人の気持ちを全く考えないある種俺様キャラで、思った事をド直球にそのまま相手に言ってしまうのですが、それが実に爽快感があります。
「それで、お前がストーカーか」はぶっちゃけ笑いました。
オカルト要素のあるミステリーで、話も破綻なく構成されており、それを個性の強いキャラクターが盛り上げています。
サスペンスやミステリーが好きな方や、オカルト物が好きな方。
本作を一度読まれてみてはいかがでしょう?