第2話 異世界


この世界には12の大迷宮があり、その他無数の中小迷宮が存在する。迷宮の起源は魔王だの生物だのさまざまな学説があるが、詳細は未だ不明である。

 

 そして、その迷宮の中には魔物と呼ばれる生き物がおり、それらを倒すことで得られるのが血魔石だ。

 

 血魔石は酒にしか溶けず、溶かさなければ強い毒性を持つため、一部例外を除いて酒以外に人体に取り込むことができない。

 

 また、一定期間における個人の限界許容量が、個人差はあるが決まっており、それを越えようとすると体が拒否反応を起こし、摂取することができない。


 これだけデメリットや不可思議な規制があるにもかかわらず、人々が血酒酒場というものまで作り出し、それを求める理由は……


 (さっきのはちょっとミスったな

 危うくいつものくせでになるとこだった……)


 そう、この異世界、魔法なんていうものは一切ないが、そのかわりに人体に取り込んだ血魔石の魔物の特徴を部位ごとにランダムで、自分の体に反映させることができるのである。

 

 もちろん都合の良い話ばかりではなく、自分の適性にあった魔物の種類があり、それ以外は発現しない。

 

 さらに、個人個人で発現に必要な血魔石の量は違うため

 一生発現しないという人もいる。


「姉ちゃんはミノタウロスだもんね」

 

「姉ちゃんはミノタウロスじゃありません!

 腕だけだし……気にしてるのになあ」


 というわけで前話の姉の発言は真なのである。


「私もアレンみたいにワンちゃんの適性がよかったのに」

 と姉が羨ましそうな視線を向けてくる。

 また始まったなとミノタウロス弄りからの恒例の流れを適当に流す。


「俺としては身を守れる能力だし、当たりだっていつも言ってるのに、っと無駄話はこれくらいにしてそろそろいかねーと」

 理由をつけて退散する。

 まだまだ仕事はこれからなのだ。

 


 

 


 

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