第7話 新たな仲間と試練
王都への道を進むカイル・ヴェルグレンと
ライナ・セリスは、荒野を抜ける砂漠地帯に差し掛かった。
日差しは容赦なく、風は熱を運ぶ。
「この先に宿があるはず……」
ライナの声は落ち着いていたが、
少年の心は疲労で重い。
数日の旅で体力も限界に近い。
「俺……こんな砂漠歩くの初めてだ」
カイルは呟く。剣を握りしめ、砂に足を取られながら
前に進む。
遠くに小さなオアシスが見えた。
水場の近くには、簡素なテントが数張りある。
人影もあり、誰かが休息しているらしい。
「誰かいる……」
ライナが呟き、慎重に接近する。
オアシスには、一人の男が立っていた。
鋼鉄の鎧に身を包み、体格は堂々としている。
「旅人か……」
男の声は低く、警戒を含む。
カイルは少し緊張する。
見知らぬ人物は危険なこともある。
「私たちは旅人です。道を尋ねたくて」
ライナが前に出て説明する。
男は少し笑い、肩の力を抜く。
「名前はカイ・ローデル。俺も旅をしている」
男の瞳には優しさと力強さが同居していた。
カイルは自然と剣を握る手に力が入る。
「ここまで来るのは大変だっただろう?」
カイは微笑む。
少年はうなずき、砂漠の過酷さを語る。
その夜、オアシスで三人は焚き火を囲んだ。
カイルはカイの話を聞き、戦闘経験や戦術に驚く。
「すごい……俺よりずっと強い……」
ライナもカイの力に信頼を置き、
「あなたと一緒なら安心できるわ」と微笑む。
カイルは胸の内で、仲間の重要性を改めて実感する。
翌朝、三人は砂漠をさらに進むことになった。
道中、砂嵐が突然襲ってくる。
視界はほとんどなく、風に体が揺さぶられる。
「このまま進むのは危険!」
カイの声が砂嵐の中でも明瞭に響く。
三人は互いに支え合いながら進む。
やがて砂嵐が収まると、目の前に巨大な岩山が現れた。
「ここを越えれば王都はもうすぐ……」
ライナは慎重に足を運ぶ。
だが、岩山の中腹で魔獣の影が現れる。
体長は五メートルを超え、鋭い爪と牙を持つ。
「来たな……」
カイルは息を整え、剣を構える。
戦闘が始まる。魔獣は素早く突進し、三人を分断しようとする。
カイルは剣を振り、ライナは魔法で援護する。
カイは体格を活かし、魔獣の動きを止める。
連携が鍵となる戦い。
カイルは恐怖と戦いながら、仲間を信じて攻撃する。
魔獣は巨大だが、三人の力は互いに補完し合い、
徐々に優位に立つ。
「今だ、カイル!」
ライナの声で少年は心を集中させる。
剣に蒼光の力を宿し、魔獣の急所を斬る。
一撃が決まり、魔獣は後退。
カイの一撃で完全に倒され、砂の上に倒れ込む。
三人は深呼吸し、勝利の喜びを分かち合う。
「君、なかなかやるね」
カイはカイルに微笑む。少年は照れくさそうに
頷くが、心の奥には自信が芽生えていた。
旅の仲間を得たことで、少年の視界は広がる。
単独では乗り越えられない試練も、
信頼できる仲間となら克服できることを知る。
夜、三人はオアシスの火を囲み、星空を見上げる。
「明日からも試練は続く」
ライナが呟く。カイルは剣を握りしめ、深く頷く。
「どんな困難が来ても……俺たちは乗り越える」
少年の決意が、心に蒼光の輝きを灯す。
新たな仲間と共に、運命の旅路はさらに険しくなる。
砂漠の夜風が三人を包む。
遠くには王都の灯がかすかに見える。
試練は続く。だが、希望もまた、確かに存在する。
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