天気を操る天才魔法使い【お題フェス11☆その④天気】

暗黒星雲

第1話 天候を操れるのは天才魔法使いだけ

 ここは屋外の競技場です。陸上競技や大掛かりな球技が行われる皇国でも指折りの施設です。中はめっちゃ広いです。今からここで、天候を操る魔法を披露する事となったのです。


 どうしてそうなったのか、簡単に説明します。平民出のウルファ姫はミリア公爵家に養子として迎えられたので、血統主義の保守勢力から嫌われているのです。そして昨日の事。建国祭のパレードにおいて、姫が仮装したのが我がラグナリア皇国の始祖であるアーティアスだったのです。


 血統主義の保守勢力はその仮装パレードの激昂しました。平民出の姫が始祖アーティアスの仮装をしてヘイゼル皇太子の前を歩いていたのは、平民出の姫が皇家を愚弄していると。その保守勢力は姫が始祖アーティアスと同様の奇跡を見せぬ限り亡き者とすると脅迫して来たのです。


 もちろん、皇国の憲兵隊や親衛隊は姫を脅迫している一味を捕縛すべく行動を開始しているのですが、ミリア公爵家のご当主であるバリスタ公がそれに反対したのです。「ウルファは必ず奇跡を成し遂げる。それでも危害を加えるならば、逆賊として私が自ら討ち取って見せよう」と。


 姫自身は「殴り合いなら誰にも負けないが、魔法は自信がない」と弱気になっていたのです。そこで、炎と氷の魔法使いである私と、隣国グラスダース王国から来た親友のサナが姫に助力しようという話になったのです。


 はい。私も自信がありません。私、ティーナは魔法が得意です。この競技場を丸ごと凍り付かせたり、逆に競技場全て焼き尽くしたり、そんな派手な威力の魔法を放つことはできるのですが……天候を操るなんて、どんな魔法を使えばいいのか見当もつきません。


 でも、グラスダース王国のエイリアス魔法協会で魔法を学んでいるサナは、私たち二人と幻獣二体が力を合わせれば天候を操れると断言したのです。サナの爆弾発言に戸惑いはしたものの、ウルファ姫を助ける為なら頑張らなくっちゃいけません。


「おいティナ」

「何よ」


 声をかけてきたのは使い魔のサンドラ。彼女は緋色のヤモリで火を吐く火竜の眷属なのです。


「何だか知らねえが、俺は何もできないからな」

「わかってるって」

「そこにいる雪ウサギと黒猫に任せた」

「だから分かってるって」

「ああ、邪魔する奴がいたら火だるまにしてやるから、そこんとこは安心しろ」

「うん。よろしく」


 協力的なのか非協力的なのかよくわからない緋色のヤモリですが、案外頼りになるところもあるのです。今は私の右肩でちょこんと座ってあくびをしながらボワボワと小さな火の玉を吐き出してます。邪魔者が現れた時の練習でしょうか。


「さあティナ。始めるわよ。メルトさんとリオンさんも準備をお願いね」


 今は良く晴れていて空は真っ青です。私たちは、この青い空を曇らせ、この競技場に豪雨を降らせなければいけません。


 先ずはサナ。彼女が魔法の杖を構えて呪文の詠唱を始めました。


【続く】

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