第9話:暴かれる本能、深まる絆

 異種族総合TVネットワーク(ITN)の魔導カメラが、煌々と光を放つ。プロデューサーたちのゲスな笑い声が聞こえるのは、別次元の防音されたブースの中。ステージ上では、美優、リリア、ミナ、ミランダが、それぞれの「企画」を前に、緊張した面持ちで立っていた。


​「さあ、全大陸のテレビジャンキー諸君、お待たせした! 今夜は超豪華三本立て! 欲望の全てをさらけ出せッ!」


​ MCの悪魔の叫びと共に、地獄の番組が幕を開けた。

​【企画1:ルナ族ミナ vs 美優 ―― 禁断の野球拳】

​ 最初の企画は、美優とルナ族のミナによる「野球拳」だった。

 ルーンの力で運命を操るとされるミナ(B98 W60 H89)は、戸惑いながらも、美優の挑発に乗って日本の古い遊びに興じていた。


​「じゃんけん……ポン! ああっ、また負けた!」


 ミナが叫び、一枚、また一枚と、衣装を脱ぎ捨てていく。神秘的なベールに包まれていた彼女の肢体が露わになるたび、スタジオの魔導ライトが眩しく明滅した。

 美優も負けるたびに脱ぐ。その度に、カメラは彼女の暴力的な巨乳と完璧なマシュマロ肌を追い、視聴率は狂ったように跳ね上がっていく。


​「ふふ、ミユ。あなた、本当に……負けず嫌いなのね。でも、その肌……すごく綺麗」


​ 勝負は美優の勝利で終わった。だが、衣装の紐一枚になったミナが、美優の肩にそっと触れ、その肌の柔らかさに驚く。


「ミユの肌は、触れているだけで、こんなに温かくて……なんだか、私の心まで癒やされるみたい」


 脱がされ、恥ずかしさに震えていたミナの瞳に、美優への尊敬の念が宿る。バカげた企画を通して、二人の間には、種族を超えた奇妙な「共感」が生まれていた。



​【企画2:お天気キャスター魔族リリア&美優 ―― 蹂躙のバイオレンス・ウェザー】

​ 続いては、美優と魔族のリリアによる「地獄のお天気コーナー」。


 「さあ、リリア、美優! 今夜の天気予報を頼むぜ!」

​「……北部の高地では、これから雷を伴う猛烈な豪雨となるでしょう……ッ!」


 リリアが予報を読み上げた瞬間、スタジオの天井から、魔力を含んだ重い雨が降り注ぐ。


「きゃああああっ! 冷たい、痛い! 服が……っ」


 美優の悲鳴が上がる。雨に打たれ、白い衣装が肌に張り付く。凍える寒さに肌が青ざめ、水滴が吸い付くように全身を滑り落ちる。

 リリアも同様だ。魔族の体力を過信していた彼女は、想像以上の魔力的な負荷に、膝を震わせる。


​「次は! 全大陸を覆う、最大風速60メートルの暴風だッ!」


​ MCの叫びと共に、巨大なファンが唸りを上げ、嵐のような暴風が吹き荒れた。

 美優とリリアは、互いに体を支え合うように密着し、必死に耐える。濡れた衣装が風で煽られ、肉体を露わにする。

 その時、リリアは美優の肌に触れた。体温は失われ、冷え切っているはずなのに、どこか芯の熱い「生命力」を感じた。


​「……ミユ。あんた、本当に人間なの? こんな状況で、どうしてそんなに……美しいの」


​ リリアは、美優の極限状態での輝きに、魔族としての「美」の常識を打ち砕かれる思いだった。二人の体は激しく震えながらも、互いの温もりを求め合うように寄り添い、過酷な状況を乗り越えていく。



​【企画3:ヴァンパイア・ミランダ & 美優 ―― 逆転の献血(モスキート)】

​ そして、視聴率が狂乱の頂点に達したのが、この「逆・献血」。

 透明なカプセルに入れられた美優とヴァンパイアのミランダ(B95 W58 H92)。二人の間に、魔界特有の巨大な吸血蚊(キラー・モスキート)が放たれた。


​「ひっ……やだ、こっちに来ないで!」


 美優の悲鳴。蚊が彼女の白い太ももに針を下ろす。

 その瞬間、美優の背中が弓なりに反り、全身にゾクッとした快感が走った。


「あ……っ、やだ……抜ける……何かが、抜けていく……っ!」


 胸元、そして首筋。血管が集中するその性感帯を蚊が刺すたび、美優は苦痛と同時に、甘美な痺れに襲われた。瞳孔が開き、口からは甘い吐息が漏れる。

​ 隣のカプセルでは、ミランダが信じられないほどの顔を晒していた。


 「……んんっ……あぅ、あああ……っ!!」


 彼女は母親が事務所社長というお嬢様育ちだが、本来は格闘技を好み、荒々しい気性で知られる。しかし、蚊が彼女のあらゆる性感帯(ヴァンパイアは全身が性感帯である)を突き刺すたび、ミランダはこれまでに経験したことのない「快楽」に溺れていった。

 普段は高慢な彼女の顔が、公共の電波で、甘く蕩けるようなアヘ顔へと変貌していく。瞳は潤み、頬は紅潮し、吐息は喘ぎに変わる。


​ 「カハッ……やめ、て……! もっと……っ、いや……ッ!」


​ この瞬間、視聴率は史上最高を更新し、**89%**に達した。



​【企画終了後:深まる絆、そして新たな脅威】

​ 企画終了後。

 美優は貧血でフラフラになりながらも、リリア、ミナ、ミランダと共に控室へと戻った。

 ミランダは未だに身体が痺れているのか、脱力したまま壁に凭れかかっている。


​「……ミユ。あんた、あの状況でよく耐えたわね。私……私、公共の電波で、とんでもない顔晒しちゃったわ」


​ ミランダはそう言って、恥ずかしそうに顔を赤らめた。だが、その瞳には、美優への奇妙な共感と、信頼が宿っている。

 リリアも、ミナも、美優に寄り添う。

 

「ねえ、私たち……このまま、あいつらの言う通りに、見世物にされるだけ?」


​ リリアの問いに、美優は、フラつく体を奮い立たせるように顔を上げた。


​「……いいえ。もう、終わりよ。ここからは……私たちの番よ」


​ 数々の屈辱的な企画を共に経験し、彼女たちの間には、もはや揺るぎない「アイドル連合」としての絆が築かれていた。

 

 だが、異種族総合TVネットワークのプロデューサーたちは、この成功にさらなる狂気で応える。


 「視聴率90%超えを狙えるなら、もう手段は選ばない」

 彼らの欲望が、ついに「芸能ギルドの女帝」の最終兵器を呼び起こそうとしていた。

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