海の蝶
すずたん
第1話 雪に溺れる。
冬になるとよくこの夢を見る。
どこか分からない雪原で雪に覆われて飲み込まれる夢を。
なぜだかは分からない。
しかもいつも起きたら忘れている。
「…………あ」
情けない声を俺は出しながら、雪に飲み込まれた。
……それと最後に誰かの声が聞こえた。
──生まれ変わったら普通になりたい。
「!! はぁ……はぁ……え?」
白髪ショートヘアー藍色の瞳で、二十四才とは思えない程、とてもかわいらしく顔で身長175センチメートルの神代葉月は天蓋付きのベッドの布団から飛び起きた。
(いや……? なにこの鮮烈な死の感覚は……?)
死んだことはもちろん無いが、多分、死ぬというのはこういう感覚なのがよく分かる。
でも、己になにが起きたのかはまるで分からない。
どういう事だ?
「……葉月、大丈夫?」
布団にくるまっていた、黒髪ロングヘアー黒目で黒いパーカーを着ている、身長自称163センチメートル、胸の大きさは自称Cカップで容姿はあまりにも可愛すぎる二十四才の愛妻、神代奏が布団から出てきた。
「あ、いや、ごめん……大丈夫……」
「ホント?」
「ホントだよ」
「……ん」
「って、なにしてんの!?」
ふと、奏が葉月の胸に左耳を当ててきた。
顔が赤くなる葉月。
「動悸止まらないね。名探偵、奏ちゃんは悪夢を見たと考える。まぁゆっくり、カフェオレでも飲も」
「ちょっと、そういうスキンシップは……」
「? 週三日はベットの上で愛しあってるじゃん」
「まあ、そうだけど!」
「まったく、葉月は突然のスキンシップはダメだよね。慣れないと。もう結婚三年目だよ?」
葉月はスケアリージャンプなどのびっくり要素とか、ダメだし、妻である奏からでもダメだ。
とはいえ、戦う時は大丈夫なのだが。
と、その寝室に世にも奇妙な黒いシマエナガが突然現れた。
「おい、オマエら。依頼が入ったぞ」
「あ! クロエナガちゃん!」
奏が喜んでクロエナガの方を見つめた。
クロエナガ──彼は危険な死然魔術師と呼ばれるものに対抗する自然魔術師たちに依頼を送る謎が多い存在。
彼とは葉月と奏が自然魔術師になった高校生時代からの仲だが、本当に自分の事を話したがらない。
まあ、仕事だけの仲だからいいが。
「ちゃん付けするな! オレは男だ!」
「えー? いいじゃんかわいいし」
「マッタク……まあ、それよりも依頼についてだ。これを読め」
するとベッドの上に転移系の魔術を駆使した小さな扉からが現れ、そこからひらりと手紙が落ちた。
葉月が手紙を奏にも見えるように開くと、そこに書いてあったのは。
『“海の蝶”を探してほしい。奇跡を望んだ君たちへのために』
海の蝶 すずたん @suzutann
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