第七話 一筋の光明

 コ―ガは、泣く青年を見つめる。


「誰だっけお前?」


「ええ? 俺のこと忘れたんですか?」


「お前、お前――」


 コ―ガは寝癖だらけの髪を左手で掻く、考え込む。が


「お前、対面でのオレオレ詐欺って斬新だな。ジョ―クか? ははは」


 笑ってごまかした。


「ええ、そんな! コ―ガさん」


 コ―ガからの非情な宣告に、青年の目から滝の涙が流れる。


「先輩が相手とは、まいったねぇ。指令外もいいところだ」


 コウジはそう呟き、薬指を立てマッチ箱に置く。


。コウジ」


 刹那、コウジの手の周りを稲光が短く跳ねる。コ―ガからは先程の、笑いは消え、冷徹な眼差しでコウジを射抜く。

 

。四本目まで立てたら――」


「ああ、わかったよぉ。俺は、動かないけどな、先輩。


 コウジは動きを止める。


 コ―ガはアスカの方を見る。


 そこには必死のアスカがいた。 


 アスカは、片眼鏡モノクルを死にもの狂いで、擦る。握る。磨く。念じる。が、駄目! 


「ははは! 天上神器てんじょうしんきの使い方も、分かってないが何かするのか? こいつ、本当に天器てんき使いか?」


 コーガに嗤われたアスカは唇をかみ、地面を睨みつけた。その眼には、熱い涙が浮かぶ。


。先輩」


 コウジの掠れた言葉が、アスカに光明をもたらす。


「必ず雷の攻撃を当てる、あんたの天器の攻撃を避けたんだぜ。は紛れもない天器てんき使いさぁ。それも、とびっきりのな」


「コウジさん」


「俯くな。アスカ。勝利は、下には転がってねぇ! 


 コウジはコ―ガを指さす。


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