気をつけて







仕事終わり。


事務所の机で、日記を書く。


今日は、虫に病。(ちゅうにびょう)


右手に「特殊」を封印していた中学生。

顔だけ人間の芋虫が、

それはもう必死に、しがみついていた。


この年代には、良くある。

自分だけが特別だと思える、


一番危うくて、一番楽しい時期だ。

放っておくと、数年後にふと思い出して、

布団の中で悶えることになる。



早めに取れて、よかった。

塩と酒で対処。虫は酒に弱い。

最強でも、未成年には勝てない。


少し後遺症は残ったが、

まあ、人生には必要な傷だろう。

数年後、風呂場か、夜中のベッドで、

急に思い出す。「あああ……」となる。


それでいい。


今日の教訓。


――特殊は、だいたい一時的。

……いや。


みんな、それぞれ、特殊で、特別だ。

さあ、若い青春よ。一旦、冷静になれ。


人の話を、まったく聞けなくなったら、

それはもしかすると――


君の体に、「虫に病が」

巻き付いているのかもしれない

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