勇者の母親は才能のない僕を見放し、パーティーメンバーの幼馴染は他の男に取られたけど僕は楽しくやってます。気にしないで。
@uminokame
第1話母さんに失望された
あれは僕、ロイ•アミューズが12歳のときだった…
「どうしてアナタは平凡なのかしら。」
僕の母シオン•アミューズは冒険者として芽がでない僕に失望していた。
「アナタの年には母さんは一人でドラゴンを狩っていたのに…ホントに私の血流れてるの?」
母さんは勇者で勇者パーティー「イザナギ」のリーダーだ。勇者である母さんは子どもの頃から規格外で一人でダンジョンを攻略したり、モンスターをシバいていた。
妊娠初期とは言え、僕を身籠った状態で当時世界の脅威だった魔王を討伐した伝説の人物だ。
僕と同じ水色の髪、紫の瞳、性格はクールで冷静という言葉は母さんの為にあると言ってもいい。
常に自信に満ち溢れているようで、見てよ母さんの格好!子どもを産んでるのに鎧の上からでもわかる、世界中の女性が羨むダイナマイッ!なプロポーション、20代前半と見間違うほどの若さ、世の男性だけでなく子どもを産んでること、イザナギが女性だけのパーティーということもあり世界中の女性からも人気を博している。
冒険者ギルドの食堂で僕はイザナギメンバーを引き連れた母さんにいつもみたいに喝を入れられている。
周りにいる他の冒険者達は気の毒にといった視線を僕に投げかけている。見てないで助けてよ!
実際周りの冒険者達は僕が平凡ではないことを知っている。どんなスキルも卒なく熟し、並以上の実力があることを、でも無理もない世界最高のSSSランクのイザナギに異議を申し立てることは命を捨てるようなものだからね。
「ロイは僕の教えたことを守って頑張ってると思う、でも…」
「アンタ、センス無さすぎよ!どうして1回で覚えられないわけっ!」
「これ以上わかりやすくを教えられないね。」
「ロイさんに教えることは時間の無駄です。」
口々にイザナギのメンバーのミーナ、ロロ、アリスレット、モアがダメ出しする。
と言うか僕の適性は前衛のファイターだから同じファイターのミーナ以外教わっても死に技術だろうがっ!あとアリスレットがわかりやすくって言ってたけどミーナ以外感覚でものを言ってるから全ッ然わからんチン!
「ごめん…。」
僕はただ小さく謝るだけ。思っていても口に出せない。口でも実力でも絶対に勝てないから。
「謝るだけなんだ…。」
ミーナがボソッと呟く。だってそうしかないでしょ。
「アナタのパーティーメンバーの2人は目を見張る活躍をしてて、このまま順当に行けば数年後にはイザナギに入れるでしょう。」
母さんが僕がリーダーを務めるパーティーのメンバーに言及する。今知った僕のパーティーはイザナギメンバーの養成所だったの!?
「そうだね、あの二人は強いからね。」
僕は力無くハハッ…と笑う。息子の僕じゃなく他所のお宅の娘さんを褒めるのね。思えば母さんに最後に褒められたのって何時だっけ?もう月単位?いや年単位で前だな。僕は練炭自殺したい。
「自分も入りたいって言わないのね…?」
僕とお揃いの紫の瞳で母さんが僕を射貫く。母さんってそのうち眼からビーム出すんじゃね?この人ならやるべ。
「いや、僕の実力じゃ無理でしょ。それにイザナギは女性しかいないじゃん。」
「っ…!そんなマイナス思考だからいつまで経っても母さんを超えられないのよ!」
バンっ!とテーブルを叩いて母さんは立ち上がる。怒号と大きな音で周囲の冒険者達はビクッとする。みんなごめんね!
母さんを超えるとか…無理でしょ!具体的にどうしたら超えられるのか教えて欲しいわ。予想するに復活した魔王を40度の高熱を出しながらブレーンバスター一発で倒すとか。うん、これなら母さん超えられるでしょ多分、いや、今の怒ってる母さんなら同じ条件で行けるな、じゃあ無理だ。
「今日という今日は失望したわ。もうアナタに期待はしない、家にいられても困る!今日の夜からはおじいちゃんとおばあちゃん家で暮らしなさい!!」
あわわっ!今日はいつもと違ってお母様超プンスコじゃん!でもだいぶ前から母さんから失望されてるのはわかっていたからショックは少ないけどさ、少しはショックを受けてるよこれでも、勘当されたんだもん。
思えばなんでそんなに強くなきゃいけなんいんだろう?人に迷惑をかけずに月並みの人生を送れれば良くない?親なら冒険者という危ない仕事はさせたくないのが普通じゃ。
「うん、今日まで育ててくれてありがとうございました。これからはじいちゃん、ばあちゃんに厄介になります。」
僕も立ち上がり母さんに深々と頭を下げる。もう二度と会えないそんな気がしたから精一杯の感謝を伝えた。
「っう…!!」
怒りに顔を歪ませた母さんは何も言わずギルドを出る。それに続きイザナギのメンバーもギルドを出る。僕を見るその表情はどんな感情かはわからなかった。
最後にミーナが振り向いて僕を見る。何かを期待した顔は微動だにしない僕を見て、諦めの表情に変わった。お前もそっち側の人間かっ!
ミーナは僕の師匠だ。そして僕が特別な感情を抱く人だ。
今より小さいとき「ミーナと結婚する!」と言ってたっけ。そんな子どもの戯言に彼女は「嬉しいっ…!!」と目に涙を浮かべてた。
あるときミーナは母さんや他のメンバーに内緒で僕にイイコトをしてくれた。そのときまでミーナはピュアだった!あっ!ちなみにこの世界は男は10歳で結婚出来ます。
それから告白はしてないけどお互い異性として意識して、そこには愛があると思っていた。今となっては恥ずかしっ!
ミーナが去るのを見届け、僕は母さんから完璧に見捨てられたのだった。
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