Side Reo


莉音の嫌がることはしたくない。

それは大前提だ。

しかし、莉音は気持ちに蓋をしすぎている気がする。


俺を好きだと言わないし、自分でも気持ちがよくわかっていないんだろう。


あの日以来、莉音にキス以上のことができないでいる。


可愛すぎて、そろそろ我慢の限界だ。



「社長?聞いてます?」

「あぁ、悪い。」

「今日、上の空ですよ。

何かありました?」

「いや、」

「莉音さんのことですか?」

「お前が名前呼ぶな。」

「それは失礼しました。

早くその悩み解決してもらえます?」

「莉音の気持ちがわからない。」

「聞けばいいでしょう。」

「本人の自覚がない。」

「はぁ、」

「どうすれば、俺のこと好きだと気付かせられるんだ。」

「あ!」

「あ?」

「セフレ1号のシオリちゃんから、連絡きてましたよ。上手く利用してみてはいかがですか?」

「利用?」



神谷の計画によれば、莉音に俺と女がいるところを見せればいいらしい。

キスしてるところでも見せれば、自分の気持ちに気付くとか何とか。



「じゃあ、頼む。」

「えっ、マジで?軽く冗談のつもりだったんですが、」

「あ゛?」

「少々リスクが大きいかと、」

「問題ない。明日だ。」

「上手くいかなくても僕のせいじゃないですからね!」

「大丈夫だ。

莉音が俺に惚れてないわけがない。」

「その自信はどこから、」


半分呆れ顔の神谷は無視した。


「そういえば、ご両親が家にあげてくれなかったとおっしゃってましたよ。」

「お前、あいつらに喋りすぎ。」


この口の軽い神谷のせいで、親にまで莉音の存在を知られてしまった。


いい歳だから結婚しろと散々言われているが、まだ付き合いすら始まっていない莉音に会わせるわけにはいかず、この前は追い返した。


「すいませんでした。

ただ社長のこと、本気で心配してるみたいでしたよ。」

「いつものことだろ。」

「この前はついに、僕と関係があるんじゃないかと言い出しました。」

「は?」

「社長の恋愛対象が女性ではなく、男性なのではないかと。」

「ありえない。」

「はい。なのでつい、莉音さんのことポロッと。」

「チッ、」

「かなり喜んでおられましたよ。」


いつかは紹介したいと思うが、今じゃない。


とりあえず最優先にするべきは、莉音の気持ちを確認することだ。

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