BPR[完]

ブルーメ

Side Rion


私は、この世からいなくなる。

私なんか、生きていない方がいい。

死んでも悲しむ人なんていない。

私のことを恨んでいる母親も、

私を犯す血の繋がらない父親も、

私がいなくなって悲しむことはない。


神様は、私が何をしたって言うんだ。


男とギャンブル依存の母親と、

再婚した新しい父親は、私を犯した。

母親のいない隙を狙って、何度も何度も繰り返された。


そして今日、母は壊れた。


「大事に育ててくれた父親を誘惑するなんて信じられない!」

「帰ってくるな!出て行け!」

「二度と私たちの前に現れるな!」


母親が私の味方をしてくれるなんて、期待した私がバカだった。


死のう。

どうして、もっと早く死ななかったんだろう。

ようやく解放されるんだ。


適当に選んだビルの屋上で、夜空を眺めた。

キラキラと輝く星も、早く死ねって言ってるみたいだ。



「何してる?」


1人の男がいた。

私をまっすぐ見て、慌てる様子もなく言い放った。


「関係ありません。」

「死ぬ気か?」

「……」

「リオン。」


思わず、振り返ってしまった。


私の名前だったから。

誰からも呼ばれることのなかった名前。


「なんで、私の名前、」

「顔に書いてある。」

「は?」


意味わかんない。

でもこの人は、確かにリオンって言った。


「俺が、お前を買う。」

「え?」

「お前の命を買う。いくらがいい?」

「お金なんかいらない!」

「じゃあ、」

「私を自由にして!」

「わかった。」

「これ以上関わらないで!」

「これからは俺と一緒に生きろ。」


すごい力で引っ張られたと思ったら、

私を抱き抱えたまま、その男は歩き出した。


「下ろして!」

「逃げるだろ。」


あっという間にエレベーターで地上に戻ってきてしまった。


「莉音。」

「だから、なんで私の名前、」

「知ってる。お前のことは何でも。」

「は?」

「山崎莉音。誕生日おめでとう。」

「……あなた、誰?」

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