山の天気

最時

第1話 始まり

始まりはミユのメッセージからだった。


{誰か北岳行かない?}


「北岳か」


 ミユとは登山ツアーで知り会った。

 その時一緒に登った仲間でたまに登山をしていて、八ヶ岳の山小屋で新年会をした時にミユが北岳の話をしていたのを思い出した。

 北岳は南アルプスの国内第二位の高峰だ。

 その時は調べてみないと行けるかわからないと返事を保留しておいたのだが、早速返事の催促が来たところによると、よほど行きたいんだなと思った。


 地図や山のSNSを調べて、テント一泊で行けそうだと思った。


{次の土日空いてます}

{私も空いてる。他に行く人居る?}

{今回は行けません}

{天気良ければ今回はサトルと二人で行こうか}

{了解です}


 変わる天気予報や天気図を眺めながら一週間を過ごして前日、いい天気予報とは言えないが登れない天気ではなさそうだという印象。

 比較的冬の天気が安定している南アルプスと言っても、冬山で天気のいいときはまれだ。 

 土日以外休みにくい会社員は登れるときに登る。


 やはり他の仲間は都合で参加出来ず、ミユと二人で登ることとなった。

 二人だけで登るのは今回が初めてで楽しみでもあったが、前日ミユからメッセージが来る。


{天気怪しいけどどうする?

 私は鳳凰三山でもいいけど}


「・・・」


 今頃になって何を言っているんだ。


{鳳凰三山は年末に行ったことあって、ひたすら歩くだけなのでもういいです。

 登頂できるかわからないけど下見だと思って行けるとこまで行きましょう}

{了解}

{夜叉神6時出発で行きましょう}

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