続編:僕の、占いとは無関係のスピリチュアルな話

崔 梨遙(再)

夜の掌編 2170文字 です。

 僕は痛い奴です。これから痛いことを書きます。



 僕は42歳の時に臨死体験をしています。三途の川も見ました。向こう岸に何年も前に死別した母が立っていました。詳しくは『或る日、意識を失って』に書いています。ですが、そこでは書かなかったことがあります。何故? 書かなかったか? それは痛いからです。



 僕は意識体? 思念体? になりました。宙に漂っていました。上下の感覚も左右の感覚もありませんでした。


 意識体には、意識体の良さがあります。肉体が無いという良さです。


 まず、食べなくていいんです。だから働かなくていいんです。衣食住が必要ないんです。食べないし着ないし住まなくていい。これは楽ですよ。僕は面倒くさがりですので、意識体の世界にいる方が好きなんです。楽ですから。


 意識体には、意識体の良くないところがあります。肉体が無いという悪い部分です。


 五感が無いんです。肉体が無いから食べる楽しみが無いです。肉体が無いから香りを楽しむことも出来ません。ファッションを楽しむことも出来ません。肉眼で見ることが出来ません。触れないのでHも出来ません。


 だから、肉体を持つこの3次元現実世界に生まれたいという希望者は多いです。肉体がある楽しさを味わいたいのです。僕みたいに、この世界に生まれたくないという者は圧倒的少数派です。とはいえ、生まれたくなくても生まれないといけない時があります。僕は3回分の人生を1回に集約して生まれます。なので、この世界に生まれるといつも波瀾万丈になってしまいます。


 僕は食に執着心が全く無いです。ファッションもお金がかかりますしね。車にも興味が無いですし、家を建てたいとも思いません。僕のこの世での唯一のお楽しみは女性です。Hです。身も蓋もないですが、正直、それだけがこの世の楽しみです。美人の姿や裸体を楽しめるのもこの世の良さです。外見的美醜は肉体が無いと楽しめないですからね。


 意識体の世界には、いろんなフィールドがあります。昔から六道と言われますね。地獄、餓鬼、畜生、修羅、人、天。実際にはもっと細かく分類されていますが、天界、天国まではいいんですよ、修行してレベルアップしても。ところが、ですよ。意識体はもっと霊格を上げろ、高次元上昇しろとうるさく言われるんです。最終的には神や仏になれということなんです。まず、それは無理です。それでも、少しでも霊格を上げろと尻を叩かれるのです。僕はこれが面倒くさくて嫌なのです。


 さっきは意識体は働かなくていいと書きましたが、意識体には意識体の仕事があるんです。天界、天国の上に行ってしまうと。以前の僕は、自分の帰るべき意識体の世界に帰れない(帰らない)意識体を案内する案内人をやっていました。子供が泣きながら立ち尽くしている時は優しい気持ちになれるのですが、大人の悪人が地獄界や餓鬼界に帰りたくないと動かない時は優しい気持ちになれません。なるべくなだめて連れて行こうとしますが、それでも動かない時は強制連行でした。女性の浮遊霊や地縛霊を説得して、その人の帰るべき意識体の世界に案内するのが得意でした。やりがいはありましたよ。


 それから、仕事が変わって僕よりまだ霊格の低いグループを回って講師のような仕事をすることにならました。そのことを忘れさせないために、僕は今世で研修の講師をしていたことがあります。そんなことをさせられなくても、自分が意識体の世界では講師ということくらいはおぼえているのに。あ! それもあって僕は波瀾万丈なんですよ。講師が受講生よりも経験不足ではいけないので、僕は生まれると経験値が上がるように人生設計をされます。結果、結局は波瀾万丈になるんです! 自慢じゃないですが、面倒くさがりの僕は意識体の世界で仕事をためています。いつ呼び戻されてもおかしくないんですけどね。


 約50年、充分Hもさせていただきました。もういいです。意識体の世界に戻らせてください。



 僕が今回、何故? これを書いたか? と言いますと、これを読めばこの世のどこがいいのか? 伝わるかな? と、思ったのです。食事を楽しむことが出来るのも、生きている今のうちですよ。ファッションを楽しめるのも、歌うことも、Hも、香りを楽しむことも、生きている今のうちしか出来ないんです。皆様は、肉体のある今を楽しんでください。多分、肉体を持って生まれたくて希望して、今、この物質世界にいるのでしょうから。死んだら、どこに行くかわかりません。今のうちに楽しみましょう。ちなみに、僕の知人は地獄に落ちましたが、2、3年で人界まで上がっていました。死ぬのを怖がらせるつもりはありません、死ぬって、多分、思っているより怖くないです。しかし、死を怖がるな、とも言いません。ただ、生きているうちは肉体がある楽しさを満喫してください。何故か? そう思えたので痛いことを書いた次第であります。



 余談ですが、憎い奴っていませんか? 憎ければ憎いほど、意識体の世界では親しい人なんです。誰もが嫌がる憎まれ役をやってくれているのです。じゃあ、別れた嫁は意識体の世界では親しいのかよ? と思いましたが、僕はそれを知って少し気持ちが楽になりました。少し救われました。



 臨死体験から生還した時、僕はこの世界の温かさを知り、憎い奴さえ愛しくなりました。



 肉体があるこの人生、良い人生にしたいですね!




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続編:僕の、占いとは無関係のスピリチュアルな話 崔 梨遙(再) @sairiyousai

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