屈折、分裂、不信

玄 麻衣

ガラス

私はガラスが嫌いだ。


ガラスというものは、中途半端に私の姿を歪めて映すから。

それに町中に大量にあって、見ない時などないのも嫌いだ。

歪んだ私が万華鏡のように、無限に反射する。

まるでそれが、私が分裂しているようで。


私はガラスに映るものは信じない。

それは屈折を経て、全く別のものになっているから。

曇りのせいで白濁し、真実を映さないから。


そうしていると、本物の自分が分からなくなる。

どのガラスに映っているのが本物なんだろうか。

自分と言うものが拡散していく。

みなそれぞれ歪んでいて、私というものが見つからない。



結局、何もかもが私でないように感じた。

ただ分かるのは、私は実在するが、本物の私は実在しないということ。

無限に存在する、虚無の像しか、私にはなかった。


ガラスに映る私は。

一方では泣いて助けを求めている。

一方ではそれを軽蔑し、嘲る。

一方では同情し、励ましている。

どれが私なんだろうか。それすら、分からない。



ある日、鏡を見た。

たった一人の私が、そこにいた。


私は、それを限りなく嫌った。

私はそれに泥水をかけ、割った。

これで、明日からも歩める。

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屈折、分裂、不信 玄 麻衣 @Sizuka_mai14

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