駅とモノリス

沼瀬葉太郎

駅とモノリス

田舎である、それも中途半端な。

現在21時30分終電を逃して30分余り経った。私は田舎の駅を眺めるのは好きだが、田舎はどうも終電が早い…普通に通ってる時間だろ…なんとも言えぬ微妙な空腹感と無量感に襲われているところである。

ここで急に自己紹介をしておこう私は22歳の美大生である、参考までに勿論金欠である。制作の参考に田舎の駅へと足を伸ばしてみた所存である。

だがなんだこの体たらくは、前に来た時とはまるで違うでは無いか!半年前まではあんな電光掲示板なんて存在しなかったぞ!?あの例えようの無い…私の知識を振り絞った中で最も近い形は…そうモノリスである。世界各国に突然出現するというあの黒いようなななんとも言えぬ立方体である。

「文明はこうも趣を壊すもだな」などと思いながら、人工的モノリスを眺めている。

まだ動いている電車から出てきた人並みをきっと私は羨ましそうな目で小一時間ほど見ていたのだろう、駅員が迷惑そうに話しかけてきた。」

「お客様すみません、他のお客様のご迷惑になるのでそろそろベンチを空けていただけないでしょうか。あと先ほどから小声で何か呟いていましたが、大丈夫でしょうか…」

ベンチを空けてやる義理はないなと思いつつ、私は快く動いたふりをした、まだモノリスと人波を眺めていたいモノだなと思い、あてもなく歩こうかと思った。その時、ひとりでにモノリスが動く様を見た、私は駅員を押し除けそちらの方へ向かった。

「お客様!困ります!時刻表を揺らさないでください!」

駅員の声がやかましいと思いつつ、私は人工的に作られたモノリスに魅入られた、いやはやここまで不思議なものは私は22年の生涯で見たことがない!

そんなことを考ていた。

いつの間にか、警察を呼ばれていて駅で少し話すことになっていた。

「えー身分証など持っていますか?」

「持っていますとも、どうぞ」

「…お爺さん、60年前の学生証なんて身分証明にならないよ。」

「?、…あぁそうだったか。」

「これがわしの身分証じゃよ」

「……ありがとうお爺さんこれ返すね、……(アー82歳のお爺さんを〇〇駅にて保護、と。お爺さんこれで家族が迎えにきますからネッ「わしは映画好きでね、たまに遠出するんじゃよ街に映画を見にな!」

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駅とモノリス 沼瀬葉太郎 @Numase

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