ざくろとグレン

赤沢たまねぎ

肝試しがしたい話

「……肝試しがしたい」

「急に何なんだよ」

いとこのざくろはいつも突拍子もないことを言う。きっと今回も大した理由は無いのだろう。

「いや、青春って感じが我々には必要だと思ったんだよね」

「お前がどうしてもっていうからゲームに付き合ってやってるのにまだ不満か」

「でも夏休みだよ?!もっと夏らしいことがしたいと言うか」

「それで何で肝試しになるんだよ」

「夜に歩くだけなら虚弱なグレンでも一緒に楽しめるかなって」

「悪かったな虚弱で」

なぜかざくろはおれと遊ぶことに関して必死だ。今日だっておれを置いて親と出かければ良かったのに。

「グレンはさぁ、オバケとか得意?」

「オバケなんていないだろ」

「ふーん」

しばらく沈黙が続いた。ゲームの音だけがリビングの中で響く

「ヒッ」

思ってもいない声が喉から出る。ざくろだ。ざくろがおれの背中を指でなでた。

「お前余計なことばっかりするんじゃねえよ!」

「ハハハ」

ざくろはいつも突拍子が無い。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る