とある魔王の復讐劇

ことは ゆう(ことはゆう)

目覚めた魔王~壊された平穏、復讐の始まり~





「何があったのだ⁈ 一体、私が病を治す為に三ヶ月眠っている間に何があったのだ‼」

 荒れ果てた城の一角で私は叫んだ。

 愛する者がいなくなった城で──




 さかのぼること三ヶ月前──


「魔力減少病でしょう、ここ百年の間に貴方様は魔力を使い過ぎております」

「そうか……」


 王室の主治医が言うのだ、間違っていない、私もそう感じているからだ。

 魔力が思うように出せない。


「魔王様なら三ヶ月ほどお眠りくだされば治るかと」

「三ヶ月か、その間は大丈夫なのか? ゼパル」


 側近の一人に聞く。


「一応防衛はしっかりとしておきます、まぁまず魔王様のおわすこの国に侵略する馬鹿はいませんでしょう」

「なら、良いのだが……」


 私は魔法陣の書かれた部屋のベッドに横になる。


「リチャード、アドリアとアリアドネを頼むぞ」

「ああ、オフィーリア。勿論だとも」

「母上、ゆっくりお休みなさい」

「おかあさま、おきたらわたくしとあそんでね」

「ああ、勿論だとも」


 我が子アリアドネの頭を撫で、アドリアの手を握り、夫であるリチャードの手も握ってから私は目を閉じた。


「では、三ヶ月後──」


 その言葉に私の意識は暗転した。





「ふぁあ……」


 目を覚ます、しかしおかしい。

 異常な程城が静まりかえっていた。


 扉は固く閉ざされ、魔法を使って解除し、開ける。

 そして目に映るものを私は疑った。


「何があったのだ⁈ 一体、私が病を治す為に三ヶ月眠っている間に何があったのだ‼」

 荒れ果てた城の一角で私は叫んだ。



「我が王……」

「ゼパル! 何があった⁈ 何故そんな傷を⁈ 今手当を……」

「私はもう、無理です……ですのでお伝えを、ベゼル王国の者達が我が国を侵略しました……リチャード様の亡骸はおそらく玉座にあると思いますが見ない方がよいかと……アドリア様とアリアドネ様は連れて行かれました……」

「ベゼル王国! 強欲な国だと思っていたが……おのれ!」


 私は唇を噛みしめながら、ゼパルに癒しの魔法で傷を癒そうとするが癒えない。


「何故癒えぬ⁈」

「貴方様の扉を外部から開けぬようにする為に自分の身を代償にしました……我が王、不出来な私を許さないでください……」


 そう言ってゼパルは事切れた。


 私は見るなと言われた玉座に向かう。

 肉片と、上半身だけ張り付けにされた我が夫の骸があった。


「り、リチャード……」


 呆然とする。

 しかし、怒りがこみ上げてきた。


「許さぬ、我が国を蹂躙している輩も、蹂躙した輩も一人として許さぬ!」


 私は廃墟と化した城から飛び出した。


 着地し、城下町へと向かう。


「やめてください、この子は何も悪いことはしておりません!」

「魔族ってだけで邪魔なんだよ!」


 下品な笑みを浮かべて人の兵士達が民を傷つける。





「私の民を傷つける輩は貴様等か?」


 静かに言うと、兵士は振り向いた。

 その瞬間からだをバラバラにした。


「我らが王!」

「病にかかったと聞いていたが生きておられた!」

「国王様、どうか、どうか私共をお救いください──」


 民達が集まり私に懇願する。


「勿論だ、我が国を蹂躙したものは生かしては返さぬ」


 私は、城下町の上に巨大な魔法陣を展開する。


「我が敵を滅ぼせ」


 そう命ずると赤い雨が降り注ぐ。

 民には無害、民を害する連中を貫く、建物の中にいてもだ。


 使い魔に死体を集めさせ、骸の兵士にする。

 骸の兵士達にはベゼル王国へ向かわせ、私は各地の村や領地を開放していった。



 兵士などは皆骸の兵士に変えてベゼル王国に送ってやった。

 今頃屍の兵士たちに蹂躙されているだろう。


 そしてやらなくてはならないことがある、アドリアとアリアドネの救出だ。

 使い魔の情報から私はまだ幼いアリアドネを助けることにした。


 あの子は見世物場にいた。


 暴力の後があり、それで下半身が蜘蛛の半身で固定されてしまっている。

 暴力は他の見世物をされている者たちにも向かった。

 私は見世物場の主と客を皆殺しにした。


 主をバラバラにすると、皆我先にと逃げようとしたが私はそれを許さなかった。


 全員魔力の込めた糸でバラバラにしてやった。





「アリアドネ」

「お、おがあざま! おがあざま゛‼」


 娘は号泣し私に抱きついた。

 アンドから娘の半身は人の足に戻っていた。


「さて、この者たちは……」

「まって、おかあさま。このひとたちはわたしをかばってくれてたの! まぞくなのをしっててもこわがらずせっしてくれたの!」

「そうか……だが、ここも安全ではない。良かったら我らの国にこないか、家族がいるなら連れてきてくれればいい」


 見世物小屋の者たちは頷き、家族をつれてやってきた。

 私は魔法陣を広げ転移する。


「国王陛下! ああ、アリアドネ殿下!」

「そのものたちは?」

「アリアドネを守ってくれたものたちだ、受け入れてやってくれ」

「勿論です!」

「アリアドネ、私はアドリアの救出に向かう」

「おにいさまをたすけて、おかあさま!」


 私はこくりと頷いた。


 その先で見るものがあまりにも残酷なものだと気付かずに。





 アドリアが、息子が連れ去られた最終的な場所は薄汚い辺境の男娼たちの施設だった。

 国の行動を諫めた貴族の子息などが連れて行かれるらしい。

 どうやらこの国にもマシな存在はいる、が此処で男娼を買っている連中はまともではないというのが分かる。


 私はドアを開けた。


「御婦人、旦那でも連れ戻しに来たんですか?」


 下品な笑みを浮かべて、受付の男が口を開いた。

 私はフードを脱いだ、角が見える。


「ああ、此処に連れてきた我が子を連れ戻しにな」


 そう言って首をはねた。


「ひぃ!」


 側にいたもう一人の男の服を掴み、詰め寄る。


「魔族の王子が此処にいると聞かされているはずだ、どこにいる」

「ち、地下です、ですから命だけはどう──」

「分かった、死ね」


 ぼきりと首をへし折った。

 地下への階段はあったのでそこから地下へ向かう。


 下品な声が響いてきた。

 私は扉を開けた。


 砂糖菓子に群がる蟻の如く──いや蟻に失礼だがそれのように、下品な男達が我が息子の体に群がっていた。


「我が息子、アドリアから離れて貰おう」

「あ゛? こっちは高い金をはら──」


 魔糸で、近づいて来た男の体をバラバラにする。

 それを見た男達は我先にと裸のまま逃げようとした。

 ので、見送った。


 地下の入り口にケルベロスを召喚しておいたから、きっと胃袋の中にいるだろう。

 耳障りな声と、肉を引き裂く音が聞こえ、骨を砕く音がしたが興味は無かった。


 私は横たわっている、息子をマジックシルクのタオルで拭いてやる。

 汚れや、傷が消えていく。


 虚ろな目をしていた息子だったが、私の顔を見ると破顔した。


「おかあさま、おかあさま」

「よしよし、アドリア」

「こわかった、こわかったよぉ」


 口調で分かった。

 あまりにも惨い行為に、アドリアの心は壊れてしまったのだ。

 涙が思わず流れた。


「一度、お城に帰ろう」

「うん……」


 私は魔法陣を展開し、城へと戻った。


 城は魔大工たちの手で元の城に戻っていた。

 私はアドリアの顔と体を長いフード付きのローブでかくして、抱きかかえて城に戻った。


「オフィーリア陛下! 城の修復はもうすんでおります」

「ザミエル、侍女の用意はできているか?」

「執事の用意もできております」

「いや、侍女の方をもっと優先度を高くしてくれ」

「何故です」

「アドリアの救出には成功したが、男共に蹂躙され続けた事で心が壊れてしまった、男に恐怖心を持っている、世話を侍女たちに任せるように」

「畏まりました」

「アドリアおにいさま!」

「……」

「おにいさま?」


 アリアドネが兄の救出に喜んでいたが、兄の様子がおかしいのに気付いた。


「おかあさま、おにいさま、どうしてしまったの?」

「人の男共に蹂躙され、心を壊されたのだ、その為かお前のことも忘れてしまっている」

「かなしい……」

「だから気をつけて接して欲しい」

「はい!」


 私はアドリアの部屋のベッドにアドリアを寝かせる。

 報復はまだ、復讐はまだ、この胸に怨讐の炎が燃えている限り、私の復讐は終わらない。


「おかあさま、こわいです……! いかないで!」


 心の壊れたアドリアは私と離れるのを嫌がった、だがやらねばならない。

 私は飲み水に催眠の魔法をかけて渡す。


「お水を飲んで少し休みなさい」

「はい」


 アドリアは水を飲み干した。

 するとグラスが手からするりと落ちた。

 私はそれをつかみ、横たわるアドリアの頭を撫でた。


「ここには女以外の者は立ち入り禁止とせよ、良いな」

「畏まりました、オフィーリア陛下」


 侍女長が頭を下げ、私は城を出ようとした。


「オフィーリア陛下」

「ザミエル、どうした」

「……リチャード様の亡骸を埋葬させていただきました」

「……感謝する、リチャードのような者を殺すのが人か、業深い。故に許しがたい」

「はい」

「全てが終わってから墓参りをする」

「畏まりました」


 私はそう言って転移した。



 場所はベゼル王国──





 骸の兵士たちが進行し、兵士たちの骸を作り、殺された兵士が骸の兵士たちに加わる。

 我ながら上出来だ。

 わが魔力でできた骸の兵士たちは進軍する。

 進軍する。


 忌々しいベゼル王国を。


 刃向かう者なら民をも殺すように命じた。

 だが民は逃げ惑い、森へと逃亡していった、家の中に閉じこもった。

 それらは無視して詰め所や教会などを破壊し、殺す。


 それを繰り返していったら王都は目の前にあった。


「忌々しい国め」


 私はぼそりと呟いた。



「貴様が魔王か!」

「兵士たちをこんな目に……」

「人の命を何だと……!」

「コレだから魔族は!」


 ああ、思った。


「貴様等がそれを言うか? 我が国を蹂躙し、民も殺し、兵士も殺し、老若男女関わらず殺しに殺し、そして我が夫を無残な骸へとかえ、娘を苦しめ、息子の心を殺した、貴様等がそれを言うか?」


 思わず口から出た。


「魔族はいるだけでこの世界の悪なのだ!」

「そうよ!」

「では、魔族代表の私から言ってやろう」


「その言葉二度と紡げると思うな」


 使い魔たちを召喚する。

 ケルベロス、ベヒモス、フェンリル等など。


「不味そうな餌だろうが、我慢せよ」


 その言葉を合図に、使い魔は愚者共に襲いかかっていった。


「アレス‼」

「ルナ! ローラ! ガルディアとオレが時間を稼ぐから詠唱を──」


「そんな余裕くれてやるとでも?」


 触手が二人の女の足を掴み上へと引きずり上げた。


「きゃああ!」

「きゃあ!」

「ルナ! ローラ!」


「お前は女の体液が好物だったな、好きなだけ蹂躙すればいい」


 触手の魔物にそう言うと、魔物は頷き、二人の女を引きずり混んでいく。


「いや、いやぁ!」

「たすけて、たすけてよ!」


 男二人が助けようと剣とメイスを振るうが触手の魔物には効果がない。

 女二人は泣きわめきながら触手に取り込まれて言った。


「この外道がああ!」

「聞くぞ、我が夫を殺したのは誰だ? 我が娘と息子を売り飛ばしたのは誰だ⁇」

「あの男を殺したのは私だ! 人でありながら魔族に組するなど許しがたい!」

「そうか、では死ね」


 一斉に使い魔が襲いかかる、盾が弾き飛ばされ、耳障りな声と、ボキボキと骨が折れる音と、肉の避ける音、咀嚼音が響く。


 使い魔が避けると、鎧だけ残して跡形もなく消えていた。

 ああ、私の愛しいリチャード、仇はとれた。


「ではお前か? 売り飛ばしたのは?」

「ほ、宝石が思ったほどなかったから、ローラが王宮に連れて行き、国王陛下が売り飛ばすのを決めたのだ! オレは、オレは悪くない!」


 そう言って逃げようとした。


「逃がすな、殺せ!」


 使い魔は追いかけ、捕まえ先ほどの様に捕食して行った。

 鎧と剣だけ残ったそれを見て私は、剣を掴んで粉々にする。


「愚王と連なる者は全て皆殺しだ」


 既に王都全体に魔法陣を展開している。

 だから、逃げることは不可能だ。

 馬などは魔法陣の影響で動けないしな。


 私は豪奢に建てられた王宮へと向かった。

 骸の兵士たちとともに。





「ええい、逃げる準備はまだできんのか!」

「そ、それが、皆王宮から逃げ出してしまい……侍女たちなども……残って、おりませぬ」

「ええい、アレスめ、せっかく見つけた聖剣を渡したというのに、なんというザマだ!」





「お前が、我が国を蹂躙しろと命じた愚者か?」


 私は玉座に座っている三人を見据える。

 肥え太った王、美貌にとりつかれた王妃、愚かな王太子、美貌しか取り柄のない王女。

 どれも異常な程に着飾っていた。


「な、何者だ⁈」

「お前達が魔王と呼ぶ者。我が名はオフィーリア、魔王オフィーリアだ」


 そう言えば、ひっと四人は腰を抜かした。


「さて、なぜここまで来たか分かるか?」

「わ、分かるわけなかろう!」


 愚王の言葉にいらついたが、我慢した。

 どうせ此奴等は死ぬんだ一人残らず。


「我が国を蹂躙しろと命じたのはお前で良いな」

「蹂躙ではない! 魔族から人の手に取り戻した──」

「黙れ‼」

「ひぃ‼」


 私は怒声を上げると、四人は腰を抜かした。


「あの国はお前達が国を建てる前から我らのものであったのだ」


「それを取り戻す? ふざけるな! 奪おうとしただけだろう!」


 怒りが収まらぬ。


「お前達、誰一人として残すな、殺せ」


 玉座にいた者達に兵士たちが向かっていく。

 連中は逃げ出したが、のろまな足では直ぐさま追いつかれ、剣で足めった刺しにされ耳障りな声を上げる。


「では、貴様らのやり方にならって処刑しよう」


 四人の頭部を掴みずるずると歩いて行く。


「ザミエル」

「処刑するのですね、どうぞ」


 断頭台を準備してあった、相変わらずザミエルは仕事が早い。

 遠くのドワーフの国ではちょっと色々あったらしいが、仕事を三ヶ月でこなせたのだ、そのお陰で助かったのは感謝している。

 ザミエルも死んでいたら国の復興に注力し、娘と息子を救えなかったからだ。


「わ、私は王女なのよ! こんなことをして許されるとでも──」

「黙れ、雌豚。我が息子を傷つけた者の子というだけで許しがたい、命で償え」


 縄を離すと首が落ちた。

 ごろりと転がる。

 ひっと悲鳴を上げているが、順々に処刑してやった。

 主犯格は最後に回しておいた。


「た、頼む命だけは! この国をやるから!」

「こんな国なんぞいらん」


 ギロチンが落ちる。

 ザシュっと首がはねられ、血を吹き出す。


「……他の者達の処遇はお前に任せる」

「陛下は?」

「一度城へ戻る、そろそろ息子が目を覚ます頃合いだ」

「畏まりました」


 私はそう言って愚者の国から己の国の王宮へと転移した。





 息子の部屋に入り、ガタガタと震える息子を抱きしめる。


「アドリア」

「お、おかあさま……」


 目から大粒の涙をこぼしながら私に抱きついた。

「こわかったです、こわかったです……! おとうさまがたすけようとしてくれたけどころされてしまったゆめをみて……!」

「……」

「おかあさま?」

「アドリア、その夢は正夢だ、リチャードは、殺された」

「!」

「そしてお前の妹のことは覚えてないか?」

「よくにた……おんなのこをかばったら……こわいめにあって……」

「おにいさま?」

「このこは?」


 アリアドネがアドリアを覗き込んだ。


「アリアドネ、お前の妹だ。忘れてしまったかもしれんが」

「ぼくの、いもうと……」

「はい、おにいさまのいもうと、アリアドネです」


 アリアドネはアドリアを抱きしめた。

 私達は抱きしめあった。


 その後、アリアドネがアドリアをまもると言ったので、愚者の国ベゼル王国へと再度向かった。


 ザミエルが部下と共に、王権派の連中を処刑していた。

 その貴族たちは情けない声を上げながら断頭台に入れられ首をはねられていった。


 その度に、城下の民の歓声が響く。


「どういうことだ?」

「どうやら王族とそれに連なる連中は民に重税を課して、自分たちは豪遊していたようです」

「……そんな国に我が国が滅ぼされかけるとは……」

「周囲の小国も飲み込まれており、今回のことで開放されたと感謝の書状が」

「要らぬ」

「では私が返信しておきます、適当に」

「頼む」


 最後の一人が処刑されるまで見定めると、私は母国へと転移した。


 王宮に転移し、結界の話を魔法使い達と話合い、結界は彼らに一任することになった。

 また私が倒れることなどあってはならないと言われたからだ。


 一人なら難しいが百人なんとか取りそろえることができたため結界をはることができた。

 結界を通るのは自然現象と鳥や獣、人などは関所を通らねば入れぬ仕組みになった。


 もっと早くこうしていればよかったと悔いることが多い。

 私はリチャードの墓に花を手向けた。


「リチャード、すまない。私が愚かだったばかりに……」


「あの子達は私が守っていく、どうか見守ってくれ」


──勿論だよ、オフィーリア……君ならやれるさ──


「⁈」


 リチャードの声が聞こえたような気がした。


「幻聴か……でもいい」


「私はあの子たちを守り通す、二度とこの失敗は起こさない」


「奴らと同じ考えの連中は全員滅ぼしてくれよう」





 それ以来、この国は平穏そのもの。

 誰もが言う。

 魔王オフィーリアの統治する国に近づくなかれ。

 魔の国に刃を向けたら最後、死の軍隊で蹂躙され、断頭台で処刑される。

 バケモノに食われて死ぬ。

 それが嫌なら近づくなかれ──


 と。





「おかあさま、おはなたくさん!」

「おかあさま、みて、はなかんむり!」


 平穏になった国で私はようやく一息つけ、子等とリチャードの愛した花畑へと向かった。

 アリアドネは花を摘み、アドリアは器用に花冠を作って渡しに被せた。


「「おかあさまだいすき!」」

「ああ、私も、愛しているよ」


 ぎゅっと抱きしめる。

 二度と、あのようなことを起こすまい。

 私は誓っているのだ。





 もし、また刃を向ける国があるなら?

 詩人の語るとおりに、死の軍隊とともに蹂躙し、処刑するだけだ──








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