囚われのサンドリヨンは、御曹司の腕の中

佳乃こはる

第1話 プロローグ

「――今日からお前は俺のものだ」


 冷えた眼差しと裏腹に、その声音には、微かな温もりがあった。

 私はそれを、信じてしまった。


 あなたの背に、夜より濃い影がまとわりついていることに、私は気づいていなかった。


 ついには私にも伸びてきたその影に、胸の奥が苦しくて、

 

 今にも崩れそうな膝を震わせ、それでも立ち続けていたあなたを、

 

 私は――見捨ててしまったのだ。

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