第28話 ポイント稼ぎ
競技といっていいのか分からない競い合いがスタートして、すぐに周りが散らばって行った。俺達は急いで向かっても怪我をするかもということで昨日の時点で遅れていくことを班内で決めていた。
「・・・・どこから獲りにいく?」
拓矢が俺達の方に振り向きながら聞いてくる。それに対して俺はウォータースライダーを指さして言う。
「最初から大量に獲得できるアレで」
「ウォータースライダー?」
「そう。確かアソコならペアで組んで最大12ポイント獲れたはずだからな・・・・」
俺がそう言うと班内の雰囲気があーといった感じになった。その後はなら・・・・といった風にウォータースライダーに向かうことになった。
ウォータースライダーのところに行くと階段を登る直前の場所に看板が立てられていた。そこにはこのウォータースライダーのポイント制度について書かれていた。
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ウォータースライダーではペアになって滑ること。今回のポイントは下記の通り。
異性と一緒に滑る・・・・・・3pt
同性(女子)と一緒に滑る・・・・・・2pt
同性(男子)と一緒に滑る・・・・・・1pt
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全員が異性同士で滑れば俺達の班は最大12pt獲得できるのか・・・。
可能なら全員が異性同士のペアでいきたいな・・・。
「これ、どうしましょうか?」
「まぁ、可能な限り異性同士で組むことだよね・・・・・・」
「リーダー的立ち位置のおにぃちゃんからしたらどうしたいの?」
「・・・全ペア異性で組ませて12ポイントだな」
俺達全員はその看板を見ながら話す。1番最初にどうするかを口に出したのは鳳凰だ。その次にルトが班全員が思っているであろうことを口にする。楓香が俺の方を向いて、首を傾げながら聞いてくる。俺はそれに対して、看板を見ながら少し考えて答える。
すると、“そうだよね”みたいな雰囲気が俺達の班に漂う。
そうしないと俺達の班はただでさえマイナスからのスタートだから余計に。
「かいさんからしたらどう組ませるべきだと思ってますか?」
「少なくとも俺の中で2組は確定してる」
「そのペアは誰と誰なんだ?」
「楓香とペペ。ルトとルーシャ。俺独自の仲の良さでの勝手な判断でこうした。4人は大丈夫そ?」
俺が拓矢に聞かれたペアを答えた後、その4人に確認をとる。楓香とルーシャは満面の笑みで頷いて、ペペは嬉しそうにルトはしょうがないなといった風に答えた。
「残りは俺らか・・・」
拓矢が一人、呟くようにして言った。俺はそれを肯定して残りの3人にどう組みたいかを問いかけた。
すると、ナタが鳳凰を連れて少し離れていった。俺達のところからは2人の会話の内容は聞こえなかったが、戻ってきた鳳凰は頬を少し染めていた。
「アタシと颯美くん、かいさんと天鈴さんで組みましょう」
「は?あ?え?大丈夫・・・なのか?」
「おい、神威。それはどういう意味だ」
「いや、だってあんま関わってなかった気が・・・・・・」
「同じ班になったからには関わってますよ。だから問題ないです」
「そ、そっか・・・・・・」
ナタは鳳凰のことを押してこっちに飛ばしてきながら言う。俺は鳳凰のことを受け止めながら聞く。
案の定、拓矢に怒られた。
といってもあんまり関わってなさそうな2人だったから俺は驚いてるだけで・・・。
ナタは口元に指を当ててキョトンとした様子で答えた。俺はそれに少し困惑しながら返した。
「まぁまぁ、おにぃちゃん。決まったなら早速行こうよ!」
「そうだよ!早く滑りに行こう!」
そんな中ある意味マイペースな楓香とルーシャが早く行こうと急かす。俺達はそれを聞いて顔を見合せては肩を竦めて鉄製の階段を登り始める。
「おにぃちゃーん!これ終わったら次はどこに行くのー?」
「特に考えてない!けど、早いうちに体力を持ってかれるやつを獲りにいくつもり!」
「分かったー!」
楓香が階段を登ってる途中、階段と階段の隙間から下を除くように頭を出して聞いてくる。俺はそれに対して手を手すりに置いて登りながら上を向いて答えた。楓香は返事を返すとタタタタタッと音を立てながら階段を登って行った。
俺はそんな楓香の様子にため息を吐きながら階段を登っていく。周りには先に登っていった2人以外がまとまって登っている。
俺達は滑るスライダーがある場所まで登りきるとペア同士別れて列に並ぶ。列に並ぶといっても登りきった時には既に並んでいた最後のペアが滑っていったところだったためすぐに滑れそうだけど。
「私とペペで最初に行くから!次は勝手に決めて!」
楓香はそう言うとすぐにペペの手をとって、次に滑る組みのために設置されたボートに乗る。
その間に俺達は次の順番を話し合う。話し合うといっても早く乗りたいペアを先に先にと決めただけだが。
そのため次に、ルトとルーシャがきて拓矢とナタのペアが続き、最後に俺と鳳凰のペアとなった。決めている間にもう滑っていっていたようで楓香の楽しんでいる声が聞こえた後、バシャーンっと着いたであろう音がする。
その次にルトとルーシャのペアが滑っていったけれど、さっきの楓香とぺぺと同じような感じで滑りきっていた。
逆に拓矢とナタのペアが滑っていった時には滑っているときの声は全く聞こえず最後の着水した時の音だけは聞こえた。
「・・・・・・ペアによって結構違いますわね・・・」
「そうだな。最初の2組は楽しんでる感じがあったが、拓矢達は静かだったな」
「そうですわね」
俺達は乗りながら会話する。前後に乗るタイプなため基本的に女子が前で男子が後ろになるように誘導された。そのため、鳳凰が前で俺が後ろとなった。
その後、係員の方に問題ないかを聞かれ俺と鳳凰はそれぞれ問題無いと返す。返したらボートを押されて滑っていく。
「これは・・・・・・騒ぐほどの勢いじゃないですわね」
「・・・・・・だな。これなら拓矢達が声をあげなかったのも理解できる」
楓香達はこれで楽しめていたのか・・・。ある意味関心できるな。これで歓声をあげるのは、俺達には少し難しいな。
そう俺達が思ってしまうほどにウォータースライダーは楽しめない。なんせ、ボートで滑っているせいか勢いよく滑らず、スライダーもあまり入り組んでいない。それに加えて光景が変わらないため余計にそう思ってしまう。
そう考えているうちに着水する。俺と鳳凰はすぐに降りてボートを押していく。その後、下にいた係員にボートを受け渡す。受け渡した後、プールから上がって先に終えた6人が待っているところへと行く。
「神威、次はどこに行くの?体力持ってかれるとこに行くとは言ってたけど・・・」
「んー、水の中を歩く?みたいなとこあっただろ?そこに行けたらいいなーとは思ってる」
「それじゃあ、そこに向かおう!」
ルーシャが元気よく言うとすぐにその場所へと歩き始める。俺達はその後に続いて歩き始める。昨日のうちにほとんどの場所を見て回っていたため、全員がある程度の位置を把握している。
それ専用で作られたようで、少し離れたところに出入口がある。とはいっても、ポイントを書いてある看板は既に見えているためそこに向かっているだけだが。
先に向かったルーシャは着いたため俺達の方へと手を振りながら待っている。俺達は少し歩くスピードを早めて進んでいく。
「基本は4人1組のグループで歩くみたいだよ」
ルーシャが追いついた俺達に向けて言ってくる。俺は頷きながら置いてある看板を見てみる。
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ここでは基本的に4人1組となって行うこと。4人1組で折り返し地点まで向かい戻ってくることでポイントを獲得できる。今回のポイントは下記の通りである。
4人で始めて4人で戻ってくる・・・・・・5pt
4人で始めてペア、または3人で戻ってくる・・・・・・3pt
ペア、または三人で行う・・・・・・1pt
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「考えるのがめんどいからグッパーで分けるぞ」
俺がそう言うと全員がどちらかの手を前に出す。
「グッとパーで別れましょっ」
俺の掛け声とともに全員がグーかパーを出す。奇跡的に1回で半々に別れることができた。グーを出したのは俺、ペペ、鳳凰、楓香だった。あとの4人はパーである。
別れた後、出入口の扉を開けて中に入る。中に入ると教員が立って待っていた。その教員から軽く説明される。聞くと行って戻ってくるだけのようだ。特に難しいことはなく、ほとんど看板に書かれてあることを説明されただけである。
その後、俺達はさっき別れた4人で固まる。先に出発するのは俺達の方だ。俺達は水の中に入っていく。水のかさは腰あたりまであり、この中を歩くことになっている。
「天鈴ちゃん、天鈴ちゃん。天鈴ちゃんは明日、キャンプファイヤーと天体観測どっちに行くの?」
「私は天体観測の方へ行く予定ですわ。私達国際交流科は全員でそちらに行きますわ。ですわね、神威?」
「あぁ」
俺達は歩きながら会話をしている。主に明日のことについてだが。明日の夜は今までと違って班の全員で行動では無く好きな方を選ぶことになっている。
「そうなんだね。天体観測・・・・・・誰か好きな子がいるの?」
「ルトがな。アイツの星・星座好きは凄いぞ。聞けば色々と答えてくれる」
「そうなんだね。あれ?でもわざわざおにぃちゃん達は行かなくても・・・」
「・・・こういう時では無い限り星を見るなんてことはしませんわ。ですからこの機会にしてもいいのでは?となっただけですわ」
「なるほどね」
ペペが前を見て歩きながら聞いてくる。俺はその隣で、ぺぺと同じように前を向いて答える。楓香は、納得しながらも一部納得できてない部分をぺぺの後ろから聞いてくる。楓香の隣で、俺の後ろにいた鳳凰が俺の代わりに答えた。それに対してペペも納得して頷きながら言っていた。
「あ、おにぃちゃん、折り返し地点はアソコじゃない?」
「そうみたいだな。奥が壁になってるし、数段の階段もあるしな」
「そうですわね。意外と距離があるように感じましたわね」
折り返し地点であろう場所に行くとこの道に入った時のように階段があった。その上は踊り場になっている。そこで折り返して反対側の道に浸かるようになっているみたいだ。
「よっ・・・と」
俺がまず最初に一段飛ばしで登りきる。そのあと、後ろを振り返るとちょうどペペが登りきったところだった。次にトントントンっとリズムを刻んで登りきった楓香。最後に鳳凰が登ろうとしたら足を滑らせた。
「ぇ・・・」
ゆっくり鳳凰が右側に倒れていく。さっきまで手すりを持っていたけれど階段を登る時には離していたため止めるものがなにもない。
俺はそんな様子を見て急いで駆け寄る。急いで駆け寄って、支えようとして自分も倒れたら意味が無いので右手で手すりを持つ。そして空いている左手で鳳凰の腰に手を添えてこちら側に来るようにする。
「きゃっ・・・!」
鳳凰は小さく声をあげた。俺はまた倒れないように片手で抱きしめるようにして受け止める。
「か、神威っ!?そ、そのっ・・・!」
「鳳凰、大丈夫か!?足とか挫いてないか!?」
「そ、それは大丈夫ですわ。け、けど・・・・・・は、離してくださいまし・・・!」
俺は鳳凰の言葉を聞いて今更抱きしめるような形にしていることに気付く。
「あ、わ、悪い・・・。腰に手を添えたことと肌に触れたことも・・・」
「そ、それはいいですわ。私を助けようとしたのですから・・・」
お互いに頬を染める。俺は少し染めた程度だが、鳳凰は少しどころか茹でタコのような顔になっている。俺はそんな雰囲気を断ち切るようにして声を上げて進み始める。
そのあとに続いてペペも急いでやって来たが楓香と鳳凰は少し離れた位置から付いてくるようになった。
その後は特に怪我もなく、危うくなることも無く戻ることができた。途中で戻っている途中で4人とすれ違い少しだけ情報交換をした。その際に女子は少し話したようで盛り上がっていたようだが。
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