第21話 他学科との交流行事




「・・・・・・という訳で各学科の生徒会員の皆さんには教員の手伝い等に回ってもらいます。ですので生徒会員の皆さんよろしくお願いします」


俺と鳳凰を含む全学科五年の生徒会員一同は会議室に呼ばれて説明を受けた。俺達生徒会員は返事を返す。・・・・簡単に要約するとこの全学科交流行事では教員の手足になってくれとのことだな。


全学科ぜんがっか交流行事こうりゅうぎょうじとは神威達五年生が行う行事の一つだ。別名、自然の家とも呼ばれているこの行事は各学科の交流のために始まった毎年恒例の行事である。最低二学科を含めたグループとして一週間過ごすという内容だ。メンバーは事前に集めておいてもよく、集まらなくても教員が総合的に判断して決められる。場所は学校がある東京から西へ西へと進んだ中国地方、瀬戸内海に接する岡山県である。学校が保有する建物にて一週間を過ごすことになる。沢山のグループに別れてポイント制で競い合い、上位グループには特典が与えられる。一週間かけて交流をしていくために色んなイベントが詰められており、各イベントにポイントがついている。しかし、それは随時ずいじ説明していこう。


神威達生徒会員もグループを作りイベントを行っていくが、最初の説明や整列させるのを主導していくことになっている。いくら教員が多いと言えど生徒数分の準備で大忙しとなる。そのため、毎年彼らでもできるところは彼ら生徒会員に任せるということになっている。


その後、俺達生徒会員は会議室から出て各学科へと戻って行った。この後は、一度全学科を体育館に集めて人数確認をしてからグループに別れることになっている。


「神威、この後すぐに手伝いになりますわね?」

「だな。体育館に集まった時にうちの学科の生徒人数を数えるのだな」

「そうですわね。私は自分のクラスの人数を数えますわ。神威には二組の方をお願いしたいですの」

「分かった」


俺達は自分のクラスが集まっているところに戻りながら次の行動の話をしている。俺達、国際交流科は他の学科と比べて人数が多いため必然と二クラスになっている。


その後、クラスメイトが待っている場所に戻ったタイミングで放送が流れる。全学科、全生徒及び教員は体育館に集まるようにと。


俺達はクラスメイトと一緒に指定された体育館に向かっていく。時々、知らない教員とすれ違った。多分その教員方はこの後の準備のため、 動いているのであろう。俺達が体育館に着いた時に集まっていたのは五学科だった。


俺達が入って並ばせている間に続々と他の学科も集まってきている。俺は二組が来たタイミングで二組の生徒数の確認作業に入った。


俺と鳳凰は互いの人数を数え終えたため、前にいた教員に全員揃ったことを報告する。教員は持っていた紙に丸をつけると、俺達は戻るように促された。


俺達はクラスの列に並び直す。他の学科のクラスが揃って報告するまで俺達は待機となる。十分後には全学科が揃い、確認も終わった。確認をしていた教員が五年生の教員の総括そうかつをしてきる学年主事に報告したら、その教員が前に出てきた。


「今年も例年通り交流行事を開催することが叶いました。どのグループも人数の差はあれど、交流という名の通り多数の学科で組まれています。これを機にグループとなった人物と関係を持つも良し、仲がいいグループは更に深めるも良しとなります。皆さん、互いに清く競い合って高めあってください。以上で話を終わります」


教員は一礼してからマイク前から下がった。下がった後に、壁際にいる司会役の教員が次の工程を説明し始めた。


「では、生徒の皆さんは持ってきてもらったプリントに書かれてあるグループに別れてください。その中にどの位置に向かえば良いかも書いてありますのでそれに従い行動してください。では、少し時間をとります」


それを皮切りに全学科、全生徒が立ち上がりプリントを見始める。俺はプリントを見た後に指定された場所へと向かう。


「神威、一緒に行きませんか?ルーとルイスも一緒に」

「・・・・だな」


俺は隣にいた鳳凰に声をかけられた。それにより俺は鳳凰と一緒にルトとルーシャがいる場所に向かっていく。


「あ!天鈴ちゃん!」

「神威も。どうやら同じ考えみたいだね」

「そのようだな。向かうか」


俺達四人は指定された場所に向かっていく。途中、移動している他の生徒とぶつかりそうになりながらも向かう。向かったところにはまだ誰もおらず俺達が最初だった。


「まぁ、私達が一番近かったからこうなりますわよね」

「だね!でもでも、少ししたら来るはずだから!」


鳳凰とルーシャが場所に誰もいなかったのを見てそんなことを呟いた。すると、後ろから聞き間違えるはずのない声が大きく聞こえた。


「おにぃちゃーん!」

「がふっ!?」

「神威!?」


俺は後ろから妹の楓香に飛びつかれた。しかも悪いことに首へ回すようにしてこられてるので首がしまっている。俺は圧迫されていることを伝えるために腕を手で叩く。それを見た鳳凰が慌てた声をあげた。


「はいはい、ふうちゃん、かいさんの首が絞まってるよ〜」


後ろから追っかけてきた子がそんなことを言いながら楓香の制服を掴んで俺と楓香を離す。俺は離されてから、膝をついてむせた。


「ゲホッゲホッ・・・・ハァハァ・・・・し、死ぬかと思った・・・・」

「ごめんね、おにぃちゃん」

「ごめんなさい、かいさん。アタシがちゃんと押さえてたら・・・・」

「い、いや、大丈夫。こっちこそいつもありがとうな、ナタ」

「いえいえ〜」


俺は抑えてくれたナタに礼を言う。この子は楓香と同じ学科である料理科のナタリー・ベルージャ。楓香の親友でありストッパーでもあるこの子とは自然と関わりが多くなった。主に楓香のせいで。


「大丈夫なのかい?」

「あぁ。この通り問題ないが・・・・あれほどのスキンシップはやめて欲しいものだ」

「・・・・君達、雲龍家兄妹は相変わらず仲が良くて何よりだ」

「・・・・・・拓矢、神威達と面識があったのですか?」


心配して声をかけてくれたのは言語科の颯美拓矢さつみたくやだ。親や祖父ちゃん達が行うパーティに行った時に知り合い交流を持ちいた友達だ。拓矢は俺達の様子を見て1人、納得していると鳳凰が声をかけた。


「彼らが主催のパーティに付いて行ったときに同年代だったから少しな。相変わらずの仲で安心したけれど」

「何年前だ?アレは」

「初等部入る直前だったから5年くらい前だとは思うけど?」

「そうだね!」


拓矢が鳳凰に説明している横で俺は初めて会った時のことを思い出して懐かしんでいる。ふと声に出していた声を拾われて返された。そしたら、近くにいた楓香もヒョコっと横から出てきては頷いていた。


「ごめん、皆お待たせ!最後は僕だったみたいだね」


俺達のグループのラスト1人のホセ・アンヘル・ガルア・ヘレンがやってきた。ぺぺは他よりも遅れたことに謝罪しながら俺達の輪に入ってきた。すると、すぐに隣にいた楓香がぺぺの元に駆け寄って行った。


「大丈夫だよ!私たちもさっききたばっかたから!」


そう話しかけている楓香を横目に、近くにいて何も知らない鳳凰と拓矢が聞いてくる。


「神威、あの二人って・・・・」

「やはりそういう関係性で・・・・?」

「あー、気づくよなそりゃ。ぞくにいう両片思いってやつだ。付き合ってないからアレで」


俺が聞かれたことに答えるように小声で返す。あの2人の距離感はまさに恋人同士のソレだが付き合ってないというと目を見開いて驚いていた。


「しかも、あの2人お互いの学科であんなことするからアタシやほぼ無関係のかいさんにせっつかれてるんですよね・・・・」


普通に先程まで話していたかのようなノリでナタが俺達の会話に入ってきた。その言葉を聞いた二人は俺達に同情するような目でこちらを見てきた。


このグループは、この4学科8人のメンバーだ。基本的にこのメンバーで一週間過ごすこととなる。とはいえ、寝る場所も全員一緒というわけではなく男女で別れているから安心できる。少し偏りがあるかもしれないが、これから行っていく予定のイベントには専門的なことは基本的にないため問題はないと思う。


そんな事を考えていたら周りのグループがこちらを見てヒソヒソと話し合っていることに気付いた。話し合っている内容が何かは聞き取れないが悪い内容じゃないことを願おう。


「どうやら各グループが別れたようなので次に進んで行きたいと思います」


そんな中、司会役の教員が次の工程に進むために話を始めた。





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