第11話 怪物
俺達4人は今、一緒に外にいる。理由としては怪物は俺達が寵愛を受けているのが分かっているのか俺達のところにやってくる性質があるからだ。ここで爺ちゃんやアス姉とかに頼めばいいと思っても頼れない。なぜなら、アス姉達神々は現世に干渉することは基本的に許されないからだ。
そもそも基本的に怪物はこちらの世界に現れることは滅多にない。なら何故こうしてまで外に出てきているかというと、先代・・・・・・いうなら俺達の時代よりもさらに何百年と前の寵愛を受けていた先人達もこうなっていたからだ。どうしてそんなことになるのかアス姉に聞いてみたら・・・・・・
「怪物は私達と同じように貴方達が持つ神の力のことを感じ取れるの。その神の力は普通の怪物にとっては何としてでも欲しいものだから」
「なら、なんでアス姉達を狙わないの?」
「無駄に死にに行くような怪物はいないの。そもそも本能が勝てないって思うから戦うことがないから。戦う意志を見せてくる怪物はそれこそ無謀な怪物」
そう言われた。その時に神は現世に基本は関与出来ないことも教えられた。だから、そのために俺達が戦っても負けないように倒せるように師匠やアス姉達が力をつける為の手助けをしてくれている。
「今日はどこの神話が来るか・・・・」
「2人の時はどこの怪物が来たの?」
「私達の時は日本が多いですわよ」
「そうだね!ちなみにそっちは?」
「僕達のときは何故かギリシャ・ローマが多いよ」
「なんでだろうな。ホント」
俺達は雑談をしながら町を歩いている。すると、ルトが鳳凰達に聞く。鳳凰達のときは日本の怪物が多いらしい。ルーシャが俺達にも聞いてきて俺達は首を傾げながら言う。
今の時間帯は夜で人が歩くのを控える時間帯だ。だからこそ、俺達は武器を持って町を出歩いている。
俺達はちょっと扱える神の力で他人に武器が見えないように隠している。そこから更に、俺達の周りにはアス姉達が創った人間には分からなくする霧がある。だから見られても他の人間には何か持っているように見えても武器には見えない。
少し広い場所に出た途端に、俺は周りの気配が濃くなったことに気付く。そのため、腰に差していた霊剣という名の刀を鞘から抜き構える。
「全員、構えろ。来たぞ怪物が」
「みたいだね・・・」
各自、戦闘態勢になる。俺は霊剣『風薙剣』を前に構え、ルトは両刃剣を何も無いところから神の力を使って顕現させる。鳳凰も神の力を使って弓矢を顕現させて構えている。ルーシャも魔術効率を上げるための本を顕現させている。その本はルーシャの前で開かれた状態で浮遊している。
すると、前の方から甲高い声とドシドシとした音が聞こえ始める。俺達はそちらに目を凝らし、先制攻撃ができるように待機する。
そしてとうとう姿が露見する。今回は日本の妖怪であった。1体は鶴のような容姿で黒く、眼光は灯火のように光っている
「俺とルトは鬼を相手取る。最悪、
「分かったわ」
「任せてよ!」
「行くよ神威」
「出遅れんなよ!ルト!」
俺とルトは鬼に向かって刀と剣を持って駆けていく。向かってくる俺達のことは鬼と
俺とルトの間に火を吐いてきたため、俺は左に、ルトは右に別れて鬼に向かっていく。残りの四体が俺とルトに向けて火を吐こうとするが後ろから矢と炎の槍が飛んできた。それにより四体のうち二体がそちらに注意が向く。残りの二体は邪魔されなかったため俺とルトに向けて火を吐いてきた。
俺は吐いてきた火を右に避けて、避けた先にいた二本角の鬼に斬りかかる。斬りかかると鬼は金棒で受け止める。ガキンッ!と大きな音を立てて弾かれて距離をとる。チラッと後ろの鳳凰達のことを見てみると鳳凰が矢を2つを1つに纏めて打っている。
俺は改めて鬼達の方へと向き直りまた斬りかかりに行く。
その鬼は左足を無くしたことによりバランスを崩す。俺はその隙を逃さないように離れすぎないように足に力を入れて踏ん張って振り返る。そして飛び上がり鬼の首を斬り絶命させる。
俺はその鬼の死体が倒れる前にその鬼の胴体を足場として使い再び飛び上がる。そして、空に飛んでいて油断していた
普通ならその後は自由落下していくだけだが、俺は天空を司っている爺ちゃんの力の一つである風を緩衝材として扱い無傷で無事、着地する。着地した後、俺はルトと鳳凰達のことを見て状況を理解する。
「残りはルトのところに鬼が2体と
俺はそう呟いては残りの鬼に向かって駆けていく。残りの鬼は雄叫びをあげて威嚇してくる。しかし、俺はそんなことはものともせずに近づいていく。鬼の一体はそんな俺のことを見てさっき鬼のようにはされないとばかりに金棒を地面に限りなく近いところを横に振ってくる。
俺は横に振ってこられた金棒を前に飛んで躱す。前に飛んだためその鬼の金棒を持ってない方の腕に近づいたのでその腕を斬り落とす。その鬼は悲鳴をあげる。その鬼の腕を斬り落とし次の態勢に入ろうとしたら横から別の鬼の拳が飛んできた。
俺は咄嗟に攻撃されても緩和できるように腕をクロスさせたがその行動は無駄になった。なぜなら、その拳の横から矢が飛んできて拳に刺さったからだ。俺はそれにより出来た隙を使い手首を斬り落とす。俺はそれから着地して三体の鬼から後ろに飛んで距離をとる。
「助かった。ナイス援護」
「間に合ってよかったわ」
飛んで着地した隣に弓を構えた鳳凰がやってきた。俺は鳳凰に礼を伝える。鳳凰は鬼のことを見つめながら言ってくる。
「
「2体とも倒したわ。ルイスのところにはルーがサポートしに行ったから問題ないわよ」
「なるほどな。じゃあコイツら倒せば終わりか」
俺は立ち上がり、構え直しながら鳳凰と会話する。俺達は会話をしているが一時たりとも鬼達からは目を離していない。
「それじゃあサポートよろしく。手負いの鬼から倒すから」
「分かったわ」
俺が駆け始めると同時に鳳凰は矢を構えて片腕を失っている鬼に向けて矢を放つ。俺はその矢に追従していく。矢は腕を失っている鬼の目に向けて向かって行っていたため、鬼は金棒でその矢を弾いた。その鬼は金棒で弾いたため、ほとんど無防備になった。俺はその鬼に向けて刀を横にして胴体を上半身と下半身で2等分して倒す。
斬りさった先には金棒が顔面に向かってきていた。俺は咄嗟に足に力をためて飛び上がり前宙してその金棒を躱す。
俺は一旦狙ってきた鬼を放置して片手を失っている鬼に向かっていく。向かっている途中後ろからグアァァァ!といった悲鳴が聞こえたが無視をした。
俺が片手を失っている鬼に向かっていくと向こうも気付いているため、金棒を振りかざしてくる。俺はその様子を見ながら鬼との距離を詰めていく。鬼は突っ込んでくる俺のことを見てニヤリと微笑み金棒をおろしてくる。
俺はそれに当たらないよう右に90度に曲がっていく。金棒はそうしたため当たらず、鬼は今度は倒そうと左足を蹴り出してくる。それに対して飛んで躱して、後ろに回り込む。回り込んだら刀を後ろから突き刺して抜く。そうしたことにより、鬼の巨体はゆっくりと倒れていく。
俺はその場から距離をとる。そこへ3人もやってくる。
「こっちは終わったよ神威」
「後はあの1体だけだね!」
「なら神威。早く終わらせるわよ」
「・・・・・・あの鬼に向けてしたいことがあるから3人とも手出しすんな」
「えっ?」
俺が少し気を撒いて言うと3人は驚きの声をあげた。だが俺はその声を無視して残った鬼に近づいていく。後ろからは鳳凰が止める声をあげるがそれさえも無視して鬼に近づく。鬼との距離が残り50mのところで俺は立ち止まり刀を鞘に差し込む。
それを見たルト達が慌てた声をあげ構えてと言ってくるがあえて無視し、体を屈め刀の持ち手部分に手をかけて居合の構えに入る。
鬼はチャンスと言わんばかりに雄叫びをあげてドシドシと大きな音をたてて迫ってくる。俺はそれに気付いていながらも前屈みで近づいてくるのを待機する。残り数メートルという近距離になったタイミングで鬼は金棒を振り下ろし、俺は素早く刀を鞘から抜く。
お互いの位置が反対になり背を向けた状態になる。その時、鬼の状態は金棒を振り下ろし地面に刺さっていて、俺は刀を抜いて刃の部分が横向きになっている。
俺がゆっくりと刀を鞘に戻していきキンッ!と音をたてて鞘に入ったら鬼の巨体が斜めにズレ落ちていった。
俺は後ろを振り返り一言呟く。
「雷閃・・・・」
その言葉を言い終えると同時に先程倒した鬼の体は小さな塵になって風に流されていった。俺はその様子を見届けると、前から3人が駆け寄ってきているのを確認する。
「神威!?急にあんな事するのやめてよ!?こっちの心臓に悪いから!」
「そうだよ!死にに行ったのかと思ったよ!?」
「悪かった。けどまぁあの鬼も手負いだったからな。な?」
俺はそう言ってルトとルーシャのことを丸め込む。そうしていると、ふとここまで黙っている鳳凰のことが気になった。まだ付き合いは短いがこういったことには大抵何か言ってくるはずなのに。そう思っていたら鳳凰は下を見て、小さな声で何か呟いていた。
「・・・・・・ざ・・・・」
「え?悪い、聞こえなかった。もう一回言ってくれ」
俺は鳳凰が言ったことが聞き取れなかったため悪いというジェスチャーをしながら鳳凰にもう一度言ってくれるように頼む。すると鳳凰は急に顔をあげて俺のことを見てくる。
「そこに正座」
「え?」
「拒否権はないわよ。はやくしなさい!」
「は、はいッ!」
俺は普段と違う鳳凰に驚き、有無を言わさない雰囲気のため従い正座をした。そうしたら鳳凰は俺のことを叱りつけてきた。それは、鳳凰による1時間にもなる説教の始まりであった。
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