第7話 勧誘!?



寮に帰寮した次の日から学校が始まってもう既に週の終わりの金曜日だ。といっても今週は進級したからなのかどの授業もガイダンスだけして授業終了となっていたけど。


この学校を正式名称で表すと『世界立せかいりつ国際交流学校こくさいこうりゅうがっこう』。通称『日ノ黎』。日本にある私立、市立に県立や国立と違い国際連合が各世界をより発展させるために各世界の有名な都市に作られた学校。公用語は英語と各学校がある国の母国語の二つ。どの学校も世界各国から未来ある子供達が集められている。一般家庭の人も入れば俺達のような御曹司や御令嬢、発展途上国の子もいる。そんな学校に俺達は通っている。


その後、そのまま特に何も無く放課後になって俺とルトは一緒に俺達のクラスがある初等部の学生棟から中等部のクラスがある学生棟に向かう。


「やっぱり三学年しかないから初等部と比べると少ないな」

「だね。あ、でも確か中等部の棟には生徒会と風紀委員の教室があるんじゃなかったっけ?」

「あー、なんかそうだった気がするな」

「ゼロ先輩の話、それ関連だったりするのかな?」

「どうだろうな。でもまぁ行けば分かる」

「それもそうだね」

「1-A。ここみたいだな。ゼロ先輩のクラスは」


俺達は入ってすぐ横の壁に記載されていた構内図でゼロ先輩のクラスを確認してその教室へと歩いていく。確認した場所に着き、廊下に掲げられているクラス表記も間違ってないことを認識して扉を開ける。


開けて教室に入ると同じ国際交流科で同級生の女子二人が座っていた。一人は俺と同じで日本出身の鳳凰天鈴とよく一緒にいるエジプト出身のルーシャ・アミン・アーレフだ。そして、その前にゼロ先輩とアーシャ先輩が並んで座っている。


「鳳凰さんにルーシャさん?」

「あ。来たね、二人とも。まぁ僕の前の席に座ってくれたらいいよ」

「色々と聞きたいことはありますが分かりました」


俺達はあまり納得はしていないがゼロ先輩に言われた通り先輩の前に座る。


「さてと、四人とも急な呼び出しに応えてくれてありがとう」

「早速だけど本題に入らせてもらうよ」


アーシャ先輩が微笑みながら礼を言ってきて、ゼロ先輩が時間が無いと言わんばかりに真剣な顔付きになって俺達のことを見つめる。俺達は雰囲気が変わったことを肌で感じ取り頷く。


「四人は僕達二人が国際科こくさいかの生徒会、そして僕が風紀委員を両立してるのは知ってるよね?」

「まぁ有名だから!」

「初等部四年以上の生徒にとっては周知の事実です」

「ゼロ先輩、それがどうかしたの?」

「単刀直入に言うね。神威君と天鈴ちゃん、生徒会に入らない?」

「合わせて、神威にルトそれにルーシャ。風紀委員に入らないかい?」

「つまりは生徒会及び風紀委員の勧誘という認識でいいんですね?」

「うん、それで合ってるよ」


俺達四人はお互いに顔を見合わせて、各々が思考し始める。



まず、生徒会のメリットとして他学科との交流と先輩方の交流が盛んになり将来的にも得とする部分が多い。他にもこの学校の生徒会員は急な外泊や休みの融通が他の生徒と違って取りやすい。代わりにデメリットとして学校行事の運営に走らされることになる。場合によったら他校やOB・OG方との交渉。他にも色々とあるだろうけど大きな事だとこれらだから損得勘定で考えたら生徒会は入るべきだ。


次に風紀委員。風紀委員はその名の通り学校の規則を取り締まる委員会。部活動の兼部も認められている。メリットは生徒会にもいえることだけど教師陣からの評価が他の生徒と比べ頭一つ抜ける。それに、生徒会よりも他学科の交流がとても大きい。デメリットとして学校行事の際には教師陣と連携して風紀委員が生徒の見張りをすること。また、身だしなみには他の生徒よりも一層厳しくしないといけない。これだけ考えたら風紀委員に所属するのはあまり良いとは思われることは少ないが、総合的に考えると風紀委員も入るべきだ。

この場合、生徒会と風紀委員の両立で忙しくなるがゼロ先輩も同じ立場だからゼロ先輩に聞けばいいだろう。



「・・・・・・ゼロ先輩、アーシャ先輩。俺は生徒会及び風紀委員に所属します」

「ありがとう、神威。神威は決めたけど三人はどうする?」

「私も生徒会に入ります。自分の見聞も広げたいのもありますし」

「ゼロ先輩ー、僕も風紀委員入るよ。それに神威となら何でもできるって思えるからね!」

「ル、ルーも風紀委員入ります!」

「ありがとう!四人とも!それじゃあ近いうちに承諾してもらっておくからね!」


俺が誰よりも先に所属する意思を先輩に見せた。そしたら、ゼロ先輩は右手をこちらに開いて残りの三人に問いかけた。俺の意思表示が火種になったのか最終的には全員が生徒会又は風紀委員に所属する意思を見せた。それにより、アーシャ先輩がパァァ!といった効果音が付くくらいの笑顔で礼を言った。


そんなところで俺はふと疑問に思ったことを先輩に聞く。


「あれ?でもどうしてゼロ先輩とアーシャ先輩が?普通、生徒会なら生徒会長、風紀委員なら風紀委員長が来るはずじゃ・・・・・・?」

「確かに・・・・どうしてなんですか?」

「言われてみれば確かに・・・」

「そ、それこそそうじゃなくても六年生の先輩じゃ・・・?」


俺が聞いたらほかの3人がハッとしたように思い返しては先輩に問いかける。


「まぁ確かに疑問に思うよね」

「それもちゃんと理由があってこうなっているんだ」

「それは・・・・?」


俺は首を傾げる。少し緊張して声が震えている。


「皆は僕達が四年生以上に兄・姉として慕われているのは理解してるよね?」

「うん。だってゼロ兄とアーシャ姉は頻繁に初等部の方に来ては色々してくれるから!今、ルーが言ったみたいに二人は今でも行ったらお兄ちゃん、お姉ちゃん言われたりするの見てるしね!」

「そう、まさにそれだよ」

「え?」


アーシャ先輩がルーシャが言ったことが原因のように返したため俺達四人はポカンとした。俺達のそんな表情を見てゼロ先輩が苦笑しながら改めて説明してくれる。


「四年生以上から慕われて関わりを持っているから僕は生徒会長と風紀委員長、アーシャは生徒会長本人達から勧誘してきてって頼まれたんだ」

「だから生徒会長や風紀委員長、六年生でもない私達が四人を勧誘しにきたんだ」

「つ、つまり他の学年よりも交流があるため先輩二人に白羽の矢が立ったと?」

「神威の言う通りそうなっちゃったんだよね」

「あ、ちなみにだけど今の六年の会員も私達が勧誘したよ」


俺達四人はまた顔を見合わせては驚愕の声を上げた。先輩二人はそれぞれ苦笑しながら軽く謝罪してきた。


「い、いやまぁ、理解しましたけど・・・・」

「でもやっぱり驚きますわ」

「なにサラッと告発してるの・・・・」

「お、驚くから・・・」

「なんかごめんね?」

「でも僕達からしたらそこまで秘密にしていることでもなかったからね」

「そうでしょうけど・・・」


俺達はゼロ先輩の言葉を聞いて苦笑するしかなかった。


「あ。それなら今改めて生徒会の業務内容を教えてもらってもいいですか?」

「あーまぁ四人ともそりゃあ生徒会と風紀委員の仕事は気になるよね。うん、いいよ。先に生徒会の内容からいくね」

「風紀委員はその後にしよっか」


鳳凰が生徒会の業務内容の確認をしたいと先輩に言った。確かに俺達が知っている内容と違ったら問題だし、なにも知らないっていう状態は悪いだろう。俺達は先輩の言葉に返事を返す。


「それじゃあ生徒会ね。生徒会は主に学校行事での事務仕事が多いよ。近いうちだと文化祭とかだね。他には学校の備品に不備がないかとか使っている道具が壊れていたら書類を作るとかね。大きく分けるとこれくらいかな。後は生徒会に入ってから知っていけばいいよ」

「なるほど。いつもいつの間にか古いヤツや壊れていたらヤツが新しくなってたからどうしてだと思っていたけど、そういう理由だったんだな」

「うん、大抵はそうだね。生徒会が学校に報告して許可が下りたら新しくなってるよ」

「分かりました。ありがとうございます、アーシャさん」


俺は腕を組んで椅子を斜めにしながらうんうんと頷きながら呟いた。アーシャ先輩がそれを肯定した後、鳳凰が礼を言った。俺はその後に椅子を戻して軽く頭を下げた。


「それじゃあ次は風紀委員だね」

「ゼロ先輩よろしく」

「うん。風紀委員はその名の通り学校の風紀を守るための委員会だね。基本的にこの国ならではの挨拶運動に身だしなみ点検。後は学校行事の際には生徒会などと連携して生徒の安全に目を配ることだね。そのため生徒会よりも教師陣や他学科の風紀委員との交流が緻密だよ。後は細々とした規則があるけどそれは入ってから確認してもらえばいいかな」

「ありがとう!ゼロ兄!」


次にゼロ先輩が風紀委員について説明してくれた。風紀委員は基本的に俺達生徒側から見ても分かる内容がほとんどだった。教師陣や他学科の距離も六年の先輩が言ってた通り近かった。聞き終えた俺は頷いて、ルトは手帳に書き取る。その間にゼロ先輩にルーシャが周りに花が咲くような笑顔でお礼を言った。


「一応の説明は終えたけどなにか気になることはあったかな?」


アーシャ先輩が首を傾げて俺達に問いかけてくる。

俺とルトはお互い顔を見合わせては頷く。


「僕はないよ」

「私もないですわ」

「私もないよ!ゼロ兄、アーシャ姉!」

「あ、皆ないのか。んじゃ俺は個人的に聞きたいことがあります」

「なにかな?」

「これはゼロ先輩に聞きます。ゼロ先輩後で生徒会と風紀委員の両立をどうしてるか教えてください」

「あぁ、確かにそうだね。なら神威に後で説明しよっか」

「お願いします」


俺はゼロ先輩に向けて頭を下げた。




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