温泉スキルで異世界銭湯はじめました
あきかたりれお
第1話【温泉】はハズレスキル?!
広がる西洋風の街並み。大きな噴水。行き交う人々。
これはアレだ。異世界転生ってやつだ。アニメや漫画で最近流行ってるな〜とは思ってたけど、まさか私が転生するなんて。
こうなったら思い切り転生ライフを楽しむぞ!
「とりあえずスキルの確認だよね〜。
どんなスキルかな?剣技とか魔法とか〜もしかして俺TUEEEだったりして!冒険して〜魔物退治して〜」
ステータスウィンドウの開示方法を探し、全身を触りまくる。
左胸の上あたりを押したところで、ピュンッ。浮かび上がる青い半透明の画面。
「出た出た!え〜っとスキルは〜」
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拠点:ラザ国
所持金:銀貨×10
クリハラ ナツ(転生者)
Lv 1
HP 100
MP 100
スキル【温泉】Lv 1
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「……温泉?」
目を擦りもう一度ステータスウィンドウを確認。
「温泉?!」
私は膝から崩れ落ち、頭を抱えたのであった。
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「あの、宿泊したいんですが」
「一泊銀貨2枚で食事付きです」
「食事付き……有難い」
私は足取り重たく案内された部屋へ向かった。
入るなり、小さなベッドに大の字になる。
「ふぅ……よし、まずは落ち着こう」
私は異世界転生を果たし、この世界で生きていかなければならない。
「異世界飯系とかチート能力で魔物一撃!とかだったら超イージーモードなのに!私のスキルって一体なんの役に立つの〜?」
もう一度ステータスウィンドウを開く。スキル【温泉】。タップしてみるがなにも起こらない。
「確かに温泉巡り好きすぎでブログとかも書いてたけどさぁ、それはあくまで娯楽であって生きる術にはなんないのよ。とりあえず発動させてみよっと」
体を起こし手を突き出す。
「スキル【温泉】!……何も起こらない。出でよ温泉!ホットウォーターバス!炙られし天使の水……onsen!」
何も起こらない!!!
「完全にハズレスキルじゃん!他なんか無いの?!」
転生した時点で、こちらの世界観に合わせた服装にマジカルチェンジしている。ポケットに手を突っ込むが何も無い。
「あとはこのウエストポーチ」
開いた瞬間、今度は緑のウィンドウが表示された。
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アイテムボックス
・石造りの浴槽
・回復ポーション×5
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「おぉっアイテムボックスだ!ええっと、石造りの浴槽?」
タップしてみると床から光が発生。そして浮かび上がる"石造りの浴槽"。大理石とまではいかないが艶のある正方形の浴槽だ。
「浴槽だ……蛇口だけ付いてるけどもしかして……」
蛇口に触れる。途端、ドドドド……
「お、温泉だー!」
一度触れれば自動でお湯が溜まるらしい。僅か三分ほどで止まり、触れてみると丁度いい熱さの温泉だ。
『スキル【温泉鑑定】が解放されました』
頭に直接響く、AIの声。
「え、なになに?!【温泉鑑定】?」
青いウィンドウが表示される。どうやらスキル名詠唱が発動に繋がるらしい。
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【温泉Lv 1】
炭酸水素塩を含む湯。
入浴者のHPを徐々に回復し、疲労を癒す。
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炭酸水素塩!血行促進、冷え性改善、美肌効果、通称美人の湯!
浸からない理由はない。
「ホテルの一室で温泉とかアンバランスすぎるなぁ〜」
服を脱ぎ、ゆっくり足先を付ける。足首、太もも、腰、肩。
「あ〜……いい湯」
透き通るようなお湯が素肌に吸い付くみたい……全身の筋肉が緩んで、血流が促進されるこの感覚!
やっぱり温泉は最高!
今のところなんの役に立つか分かんないけど、温泉に浸かれば大抵の悩みは消えていく。
「温泉があれば、なんとかなる!」
ハズレスキル【温泉】を手にした私の異世界生活が幕を開けた。
◾︎◾︎◾︎
だいたい
金貨1枚 一万円
銀貨1枚 千円
銅貨1枚 百円
次回。スキル【温泉】の魅力が明らかに!
次の更新予定
温泉スキルで異世界銭湯はじめました あきかたりれお @aki__Reo
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