『ポンコツはポンコツの引きは最強!』
籠目
第0話
香織と、りの。
二人は、師弟関係に近い。
けれど、教科書的なそれではない。
りのは、少しポンコツだ。
本人もそれを自覚している。
空気を読みすぎて、我慢してしまう。
「まあ、いいか」で自分を後回しにする癖がある。
悪気はない。
ただ、優しすぎる。
街コンに行くたび、
なぜか“変な男”ばかりを引き当てるのも、
その性格が原因だと、香織は言う。
香織は、真逆の人間だった。
遠慮しない。
濁さない。
言うべきことは、その場で言う。
優しくないわけじゃない。
ただ、甘くない。
香織は、りのの少し先を歩いている。
恋愛も、人付き合いも、
痛い目を見て、学んで、抜けてきた側の人間だ。
だから、りのの話を聞くとき、
同情より先に、構造を見る。
「それ、あんたが悪いんちゃう」
「でもな、そこは我慢せんでええ」
慰めることもある。
でも、必ず線を引く。
りのは、街コンから帰るたびに、
香織のところへ行く。
愚痴を言いに行く、というより、
答え合わせをしに行く感覚に近い。
香織は、話を最後まで聞いてから、
短く、切る。
それは説教じゃない。
翻訳だ。
りのが感じた違和感に、
ちゃんと名前をつけてやる。
「それは無視」
「それは放置」
「それは独り言」
そうやって、
分からなかったモヤモヤを、
言葉にしていく。
この物語は、
りのが街コンで出会った男たちの話であり、
同時に、
香織による“人間関係の解剖記録”でもある。
笑える話が多い。
でも、全部実話だ。
そして、どれも他人事じゃない。
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