東京駅八重洲口 お見合いハプニングカフェ
えりか
東京駅八重洲口、お見合いハプニングカフェ
一月。今年に入り初めての三連休初日。今日は昨夜と打って変わって風が少し落ち着いて、そこまで寒くはない。ここは東京駅八重洲口から徒歩3分のカフェチェーン。チェーンと言えど、少し高級感があり、昭和の雰囲気を醸し出す装飾が施されている。朝十時。モーニングに合わせて立ち寄った。前に二組待っていたが、テーブルが片づけられすぐに案内されていく。
次が我々の番だと思っていると、一人の女性が入ってきた。「二階に連れが待っているので」と店員に伝え、二階に案内されて行った。一階がいっぱいなので、我々も二階席に案内される。客はまばらだ。さすがに三連休の土曜日朝にカフェでお茶しようと思う人は少ないのだろうか。
階段上って右手すぐの席に、先ほど待ち合わせだ、と登って行った女性が座っているのが目に入った。デートだろうか、男性と一緒だ。土曜日なのに男性はスーツを着ている。カップル、という雰囲気ではない。営業でもなさそうだ。聞こえてくる会話は、お互いの素性についてのようだ。そのうちに、女性のほうが結婚について持ち出した。
これはお見合いだ。
モーニングセットのコーヒーとトーストを待っている間に、少なくとも三組の男女ペアが入ってきた。どこのペアもなんとなくよそよそしく、カップルというわけではなさそうだ。男性はもれなくスーツを着ているし、女性もかなり着飾っている。あちらのペアはそれぞれの住んでいるところについて話している。またこちらのペアは仕事について話している。
モーニングセットを食べ終える頃、本を読みながら入ってきた男性が隣の席についた。本を開いたままテーブルにおいて、また一階に降りていった。男性が戻ってくると、今度は女性をつれていた。女性の方は、私の連れが「モーニング時間帯のお茶にしては着飾りすぎ」と評するほど煌びやか。すかさず女性の方が本について聞いている。すると男性は、待ってましたとばかり本の説明を始め、自分がいかにインテリかのアピールをしている。
午後四時。銀座の街を一通り歩いた後、ケーキセットを求めてまた同じカフェに入った。今度は地下階に案内される。やはり隣の席には男女のペア。仕事で英語を使うから勉強を勉強をしているとか、大学時代の専攻はなんだとか、好きなスポーツだとかの話をしている。
どこのペアもティンダーとかのデイティングアプリでマッチした雰囲気ではない。結婚相談所を通じたマッチの感がある。みな二十代後半から三十代くらいとみえ、真剣に相手を見定めているもよう。
隣のペアはうまくいきそうだ。
東京駅八重洲口。ここはお見合いハプニングカフェ。
東京駅八重洲口 お見合いハプニングカフェ えりか @erika_tsuru
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