龍鬼に町を滅ぼされ、ただ一人生き残った少女ハンナ。
深い喪失と孤独から始まる物語ですが、その中に静かに差し込む希望がとても印象的でした。
母の形見として大切に抱えてきた“名前”が、物語の大きな核になっていて、過酷な運命の中にも確かな意味を感じさせてくれます。
少し古風で幻想的な言葉づかいが世界観によく合っていて、冒頭から一気に引き込まれました。
重たさのある物語でありながら、最後にはどこかやわらかな光が残るのも素敵です。
失われたものの大きさと、その先で見えてくる小さな救い。
名前に込められた想いが、静かに心に残る物語でした。