4-10
『さて、とっとと上を目指すぞ。あのうるさい奴らがナズナを心配するあまり、無茶をしでかす前にな』
エリゴスの言葉に神威が同意し、エリゴスの召喚をヴィルヘルム達と合流するまで維持させなくてはならないため、中へ戻った。ナズナは足元に注意しながら歩き出す。
こういう時、一人でなくてよかったとしみじみ思った。もしナズナ一人だったら、永遠に同じ階層を彷徨う羽目になったかもしれない。現に何度もエリゴスにその道は違うと注意された。挙句の果てにはエリゴスの部下に急遽来てもらうことになり、上へ通じる階段まで道案内をしてもらう事態になってしまう。
「本当にありがとうございました」
『ご苦労!』
『別にいいっスよ。今日は暇だったんで。また何かあれば、エリゴス様を通して呼んで下さいねー。
あ、僕の名前はストラっていいます。以後お見知りおきをー』
小さな宝冠を戴く鴉の姿をしたエリゴスの部下は、ナズナと上司に挨拶をすると空気の中に融けていくように消え去った。ストラが案内してくれた階段を登ると、待っていたヴィルヘルム達と無事に合流を果たす。
ヴィルヘルムよりも先にソルーシュがナズナの元へ走り寄り、彼女の身体に怪我がないか視線だけで入念に調べた。
ある程度調べて怪我がないことにソルーシュは安堵したのかその場に座り込む。
「ソル?!」
「よかった…本当によかった…」
座り込むソルーシュを見てナズナは申し訳なく思い、改めて幼馴染と従兄に頭を下げて謝罪をする。
「ソル…ヴィルも心配掛けて申し訳ありません…」
「いや、気にしないで。僕の方こそナズナの側にいるべきだったね。そうすればあの時間に合ったかもしれないのに…とにかく無事でよかった。
それにしても、よく道に迷わずに来れたね」
「エリゴスとその部下の方に助けて頂いたので…」
「なるほど、それは心強かったね。さて、いつまでもここにいる訳にもいかないし、そろそろ行こうか」
ようやくソルーシュが立ち上がり、三人は再び歩き出した。歩きながらナズナは先程戦った
「へえ、すごいね。一体誰がやったんだろう?」
興味津々な従兄に対してソルーシュは渋い顔をしていた。
「オレ達以外に誰かいるのか?それだったら人の気配くらいしてもいいはずだし、精霊の類だと仮定してもナズナ姫がすぐにでも感知しそうなものなんだが…」
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