ヒロインたちによる監禁ハーレム

スパルタンEX

とある後日の一幕



「お兄ちゃん……どこにいるのぉ。――せっかく柔らかい素材でやってあげたのに……なんで逃げちゃうのぉ?」


 ――ドクンドクン


「この家にいるのはわかってるんだからねぇ。――ここかなぁ!」


 ――ドンッ


「……ここじゃなかったかぁ。――待っててね。お兄ちゃん。」


 やがて俺を追ってきた者の足音が遠くへ向かっていったのを確認すると俺は隠れていたクローゼットから静かに出た。


 幸いなことに俺がどこにいるかの検討はついていないようだ。だがそれも時間の問題。早くここから逃げ出さないと非常にまずい。何がまずいかと言うと恐らく捕まったらもう二度と外に出れないかもしれないからだ。


 今俺の事を追ってきているのは一応は妹…と言えなくもない皇愛華だ。つい最近俺の父さんと愛華の母さんが再婚して兄妹になった。それ以前から俺たちはとある出来事から関わりはあった。だけどこんな風になる奴ではなかった。



 いや、今は原因を考える暇はないな。とにかく身の安全を得るためにも早くここから脱出しなければ。

 あまり頼りたくない相手だが今の愛華に捕まるよりはまし…なはずだ。


 俺はこの危機を唯一助けてくれるかもしれない相手に助けを求めることにした。ありがたいことに捕まっていた時もスマホは持たせてくれた(監視付き)ので一か八かバレる前に助かる可能性もある。その可能性を掴むために俺は愛華の実の母であり俺の義理の母でもある皇桂花さんに電話をかけた。


「―もしもし。俺です。」


「っ!――こほん。樹くん、どうしたのかしら?もしかして私に会いたくなったのですか!?」


「当たらずとも遠からずです。――俺を助けて欲しくて。」


「助けて欲しい…何かあったのですか!すぐに場所を教えてください!今すぐ行きますから!」


「あ、いや。そこまででは無いというか…ただここから出るのを助けて欲しいんです。」


「――いったいどこからなんですか?」


「愛華の屋敷からです。」


 俺が愛華の名前を出した瞬間それまでは心配半分喜び半分という感じだったのが一気に怒りに変わっていったのを感じる。


「……あら、愛華がどうしたのかしら?」


 だがここで引いてはならない。

 

「愛華に囚われてしまって…」


「なるほど……わかりました。すぐに助けに行きますから安心して待っててくださいね。」


 そういうと桂花さんは電話を切った。

 …………ふぅ。これで何とか助かりそうだ。桂花さんが怒っている理由は俺ではなく愛華だ。俺としてはどっちも別のベクトルで怖いので親しくなりすぎたくはない。だがそれとは別に俺を理由に実の母娘が険悪な関係になって欲しくもない。


 どうしたものか。今の俺にはもう先を知ることなんて出来ない。こんなことならもっと上手く立ち回るべきだったのかもしれないな。だけど自分優先にして救えないのも目覚めが悪い。とにかくどうにかして皆が仲良く過ごせるように頑張らないとだ。






 …………はぁ。なんでこんなことになっちゃったんだろう。

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