絶叫しながら引き金を引け! 極度のビビりな俺、異世界で寄生体に囲まれるも、恐怖で脳汁が出すぎて銃火器無双してしまう ~聖女を抱えて翔べ~
第2話:広場の狂乱! チェーンソーの音はもう聞き飽きたんだよぉお!
第2話:広場の狂乱! チェーンソーの音はもう聞き飽きたんだよぉお!
「は、はぁ……はぁ……っ! 死ぬかと思った……いや、一回死んだようなもんだよこれぇええッ!!」
ボクは泥だらけのブーツを動かし、霧の濃い山道を必死に突き進んでいた。
先ほど粉砕した村人の感触が、まだ右手に残っている。
原作知識では、一発ヘッドショットすれば消滅して終わりだったのに、実体験としての「肉が弾ける音」はあまりにグロすぎて、胃の中の昼食がリバースしそうだ。
「ひぎゃっ、木の枝! びっくりさせないでよ、もうッ!!」
不意に頬を撫でた小枝にさえ絶叫し、ボクは涙目で魔導銃を構え直す。
怖い。マジで怖い。
原作の世界で一番怖いのは「曲がり角」だって相場が決まってるんだ。
(……落ち着け、カイ。ボクは特殊部隊員(の器)なんだ。ボクの中のプロフェッショナルが言っている……この坂を抜ければ、村の「中央広場」に出るはずだ。そこが最初の、そして最大の難所……ッ!)
坂を上りきった先で、ボクは遮蔽物に身を隠し、恐る恐る村の様子を伺った。
「う、嘘でしょ……?」
広場の中央では、不気味な焚き火が燃え盛っていた。
その火に燻られているのは……先に潜入したはずの探索員の遺体だ。
村人たちがその周りを囲み、呪詛のような言葉を唱えている。
「あんなの絶対無理だよぉおッ!! あんなに大勢相手にできるわけないじゃんッ!!」
ボクは心の中で叫び、全力で回れ右をして逃げ出そうとした。
だが、その瞬間。
「――っ、ウンス・フォラステロ!!」
一人の村人と目が合った。
そいつが叫ぶと同時に、広場の全員が――二十人近い狂った村人たちが、一斉に首をこちらへ捻った。
「うぎゃあああああああああああああッ!! 見つかったぁあああッ!!」
もう、後戻りはできない。
やるしかないんだ。やらないとボクが焚き火の具材にされてしまう!
「くるな! くるなぁああああッ!!」
ボクは絶叫しながら、魔導銃を連射した。
ズドン! ズドン! と重い衝撃が肩を叩く。
一人、また一人と村人が倒れるが、多勢に無勢。奴らは鎌や斧を振りかざし、四方八方からボクを包囲しようとする。
(――見る前に翔べ。……いや、今はそれどころじゃない! 練度だ、ボクのこの身体に叩き込まれた『体術』を信じるしかないんだ!)
接近してきた村人の斧を、ボクは紙一重で回避した。
身体が勝手に動く。前世の知識と、今世のこの身体が身につけた「技術」が噛み合う瞬間。
ボクは村人の膝を蹴り抜き、体勢を崩したところへ――。
「ええい、あっちへ行けぇええッ!!」
渾身の旋回蹴りを叩き込む。
ボボォンッ! という破裂音と共に、三人の村人がまとめて吹き飛んだ。
「い、意外といける……? いや、いけない! 全然いけてないからね!? あっちにまだいっぱいいるぅううッ!!」
その時だった。
――ブルルンッ、ブルゥゥゥゥウン……!!
建物の陰から、聞きたくもない不快なエンジン音が響いてきた。
「……え、待って。この音、まさか」
ボクの原作知識が、脳内で警報を鳴らす。
建物の扉を蹴破って現れたのは、頭に麻袋を被り、血塗れのチェーンソーを構えた大男。
「チェーンソー男だぁああああああッ!! まだ序盤だよ!? 難易度調整ミスってない!? 運営呼んでこいよぉおおおッ!!」
唸りを上げる刃。
一撃喰らえば即デッドエンド。
ボクの絶叫が、村中に響き渡る。
「死にたくない死にたくない死にたくないッ!! 近寄るなこの変質者ぁああああッ!!」
ボクは半泣きで、チェーンソー男の頭部に向けて魔導銃のシリンダーを全弾叩き込むべく、震える指をトリガーに掛けた。
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