ら~ららら~♪♪

@ij2525

自転車とキミの歌声、通学路




春の風

暖かな匂い

優しいオレンジ色した

お日様の季節


あなたと出逢った

大切な季節


ら~ららら~♪♪


学生カバンに小さなタンバリン

歌声とともに

自転車でいつも追い越される

彼女の背中は

いつも踊っていて

音符を奏でているようだった


晴れの日限定

ら~らららのタンバリン少女


私の中で付けていたあだ名

ぼくが笑顔になれる

ふとした瞬間だった


でも…。

それしか知らず。


いつしか過ぎてく

いくつもの時間。


新たな春風(はるかぜ)吹く季節


ふと気付くと

彼女の音符が

ぼくを追い抜いて

いくことがなくなっていた。


桜咲く季節

晴れの日の

『 ら~ららら~♪♪ 』

からの卒業


空の青を見ながらホッコリ。

そっか。


そう思うと思わず

笑顔がこぼれた。


そんなこともいつしか忘れ

生物学に没頭し費やした時間。


そんなぼくの

唯一救いになっていた時間は

水族館での

チンアナゴ鑑賞だった。


シャンシャンシャン


そんなぼくの耳に飛び込んできたのは

水族館では普段出会えない

揺れるカバンにタンバリン


そして聞き覚えのある


『 ら~ららら~♪♪ 』


えっ!?


通り過ぎる音符

まるで踊る背中


まさか…。

そのままだったんだ。


いつかのタンバリン少女は

みんなに笑顔を届ける存在に


暖かな歌声

踊る背中。

その手には

相棒のタンバリン


ら~ららら~♪♪

その続きに出逢った初めての瞬間


その日も当然

雲ひとつないオレンジ色した

お日様とスカッパレな青の空


暖かな風が運ぶ

彼女の歌声、桜花(さくらばな)


キミのおかげで出逢えたね。

チンアナゴにお礼を言って

僕はそっと持ち帰った


君の音色とその花びらを。

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