かささぎの

 ガシャガシャと札を混ぜ合わせる。なんとなく、俺はこの瞬間が好きだ。どの札が来るか楽しみでワクワクするからだ。こんな感覚も久々だ。混ぜ合わせ終わったら、5枚ずつの束を作る。それから、畳の目三つ分離して札を並べていく。うお、「わすれ」か。微妙だな。げ、「やす」こっちか。どうすっかな。「す」と「ほ」は右下段でいっか…。

「それでは暗記時間8分測り始めます」

さっきも思ったけど、弥喜先輩の声がキビキビしてると違和感。まあどうでもいいっちゃいいけど。さて…。なかなか面白い配置になった。まずは自陣。一字決まりの「す」「ほ」を中心に「うら」「ゆう」「いに」「きり」と短めの決まり字の札が揃っている。短い札の方が好きだからありがたい。ただ、「わすれ」「わすら」の別れ札や「あさぼらけう」といった大山札があるのが厄介。あと四字決まりの「こころに」ね。処理しきれるかな…。捨てでもいいかな。

 一方で相手陣。目を引くのは上段の札の多さ。一般的に、自陣の下段に札が多い方が取りやすい。自分からの距離が近くて取りやすいからだ。上段だと相手と距離が大きく変わらないから取られることも多い。これは作戦か偶然か…。注意だな。上段に決まり字短めな「みち」「かく」「この」「たれ」が上段に並んでいる。三字決まりの「ひとは」「ひとも」をくっつけてんのが意外だ。これだと二字の「ひと」だけで払える。別れ札は離すことが多いんだけどな。何かしらを狙ってる雰囲気。で、あとは各段一枚ずつ「こころあ」「たき」「こい」「あさぼらけあ」。うーん。別れ札が3組か。敵陣取りに行くのがセオリーだけど、こっちはブランクあるしな。自陣守ろう。

「暗記時間残り二分です」

お、残り二分か。とりま自陣の素振りしとこ。ビッ、ドン。シュッ、ドン。久しぶりに耳に響いた音。心地よく、心を激しく揺さぶる。

「時間になりましたので、競技を開始します」

お願いします、と相手と読手に礼。よし、やろう。

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                 相手

あ                                   こ

さ                                   い


た                                   こ

き                                   こ

                                    ろ

                                    あ


み か こ た                           ひ ひ

ち く の れ                           と と

                                  も は



わ                                   わ

す                                   す

れ                                   ら


こ                                 あ い

こ                                 さ に

ろ                                 ぼ

に                                 ・

                                  う


う ゆ                             ほ き す

ら う                               り 

                  秋平





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