テイク2

 その報せが駆け込んだ瞬間、織田信長は立ち上がった。

 その眼には、恐れも迷いもない。ただ、燃えるような闘志だけが宿っていた。


「そうであるか。出陣! 皆の者、ついてまいれ!」


 家臣たちが慌てて追いすがる。


「殿、どうかお待ちを! 軍議を――」

「待たん! 時が勝敗を決める!」


 信長は木曽馬に飛び乗り、一騎、風のように駆け出した。

 その背中は、誰よりも小柄で、誰よりも大きかった。


 桶狭間へ向かう道中、信長はふと馬を止めた。

 空は曇り、風は湿り気を帯びている。

 戦の前触れのような空気が漂っていた。

 そこへ、黒い影が地を裂くように現れた。


「ちょろちょろと……だが、所詮ネズミ!」


 間者が立ちはだかる。

 信長は名刀を抜き、迷いなく斬りかかった。

 斬撃は鋭く、間者は一瞬で沈んだ。


「退け。次がある」

 信長は血を払うように刀を振り、前へ進んだ。

 しかし、次に現れた影は先ほどとは違った。

 その気配は重く、冷たく、まるで闇そのものが形を成したようだった。


「影者めが表になど出てきよって……暗い地獄に第六天魔王があないして遣わそう!」


 忍者。

 その武威は百を超え、ただならぬ殺気を放っていた。

 信長は槍を持たぬまま、拳を握った。


「来い」


 殴打音が響き、忍者は後退した。

 だが、忍者の拳もまた重かった。

 信長の頬を打ち、血が滲む。


「ほう……やるではないか」


 忍者は無言で迫り、再び拳を叩き込む。


 信長の命脈が削られていく。

 だが信長は怯まない。

 名刀を抜き、渾身の一撃を放つ。


「散れ!」


 斬撃は忍者の胸を裂き、影は地に沈んだ。

「殿ーっ! 藤吉郎、ただいま参上!」


 泥だらけの木下藤吉郎が駆けてきた。

 その顔には、どこか子犬のような必死さがある。

「この藤吉郎、機転なら負けませぬ!」


 信長はうなずき、国友筒を受け取った。


 その重みは、戦場の未来を変える力そのものだった。

 藤吉郎も刀を受け取り、二人は並んで進む。

 だが、再び忍者が現れた。


「影者めが……暗い地獄に送ってくれよう!」


 忍者の拳が信長を襲い、信長の命脈は危険域に達する。

 藤吉郎が前に出て、必死に応戦する。


「殿を守るのは、この藤吉郎の役目!」


 藤吉郎の拳が忍者を揺らし、信長の名刀が再び閃く。

 忍者は倒れた。

 信長は孫子の書を読み上げ、己と藤吉郎の武威を高めた。

 その声は、戦場の風に乗って響き渡る。


「兵は詭道なり……」


 その言葉は、まるで戦場そのものを揺るがすようだった。

 そこへ、佐々成政が駆けつける。


「殿、この成政、忠義を尽くしてご覧いれようぞ!」


 成政は長篠一文字を受け取り、刀を構えた。


 その姿は、まさに忠義の化身だった。

 だが、またしても忍者が現れる。


「影者めが……!」


 成政が先陣を切り、忍者に斬りかかる。

 藤吉郎も続き、信長は国友筒を構えた。

 轟音が響き、忍者の体が揺れる。

 最後は成政の一撃が忍者を沈めた。

「殿、この朱槍に懸けて、義元の首あげてみせまする!」


 前田利家が駆けつけた。

 その朱槍は、戦場の中でもひときわ鮮やかだった。


 成政の忠義が発動し、武威が上がる。

 藤吉郎も利家も続き、三人の武威が一斉に高まった。

 信長はその姿に胸を打たれた。


「大儀である。皆の者、続け!」


 その声には、仲間への深い信頼が滲んでいた。

 そして――戦場の空気が変わる。


「東海一の弓取りとて恐れるに足らん!」


 今川義元が姿を現した。

 豪奢な装束、威厳ある姿。

 その武威は百七十。

 まさに大名の中の大名だった。

 藤吉郎が先陣を切り、義元に斬りかかる。

 義元は微動だにせず、反撃に転じた。


「小癪な……!」


 義元の拳が信長を襲う。

 その一撃は重く、鋭く、まるで雷のようだった。

 信長の命脈が――尽きた。

「殿……?」


 藤吉郎が振り返る。

 成政も利家も、信じられないという顔をしていた。

 信長は、静かに地に伏していた。

 風が吹き抜ける。

 その風は、まるで戦国の世が泣いているかのようだった。

 藤吉郎は拳を握りしめた。


「殿……必ず、この藤吉郎が……」


 その声は震えていた。

 だが、その震えの奥には、確かな炎が宿っていた。

 信長の死は、終わりではない。

 ここから始まる者たちがいる。

 忠義を胸に、覇道を継ぐ者たちが。

 戦場の風は、静かに、しかし確かに、次の時代の到来を告げていた。

――――――――――――――――――――――――

 今回はゲームオーバーですね。

 敵の初期装備データを入れてないので、拳で語ることが多いのはご愛嬌ってことで、ちょっと楽しくなりました。

 これなら、1日に1000話は書けます。

 自動プレイのゲームなので、そう言う感じですね。

 運営からの常識的な範囲ということなので、連載しても一日に6話程度にしておきたいと思います。

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