友情と恋愛が入り混じった青春は今しかない⁉︎てか、今しかできないことってあるんだなぁ

猫の集会

モテるオレ

 実はオレ、自分で言うのもなんですがモテます。

 

 そして、陽キャの一軍です。

 

 ほんの数分前も、隣のクラスのかわい子ちゃんに告白されちゃったんだよねー。

 

 もうさ、モテるってほんと困るわー。

 

 でも、昨日の告白はお断りさせてもらったんよ。

 

 なぜって?

 

 そりゃ、彼女がいるから…ではなく、今は誰とも付き合わないから…でもなく、好きな子ができちゃったんだよねー。

 

 その子が、陽キャでもなければ一軍でもない隣の席の女子、桜乃さくらのさんだ。

 

 桜乃さんは、とても大人しくていつも静かに暮らしております系丁寧女子だ。

 

 体育終わりも、きちんとジャージを畳んで可愛らしい袋にしまう。

 

 なぜ、運動後にそんな涼しい顔をしてジャージを畳むのか謎だ。

 

 さらには、運動後なのに髪が乱れていないってところもまた不思議だ。

 

 そんな不思議系丁寧女子の桜乃さんに、オレはいきなりの呪文を唱えた。

 

「オレと付き合おう」

 って。

 

 すると桜乃さんは、驚いた顔でオレをジッとみて、

「それ…本気?」

 と、目をぱちくりさせた。

 

「うん、本気だよ」

 そのこたえに桜乃さんは、少し困ったような照れたような様子で、ゆっくり髪を耳にかけて、

「わたしのどこがいいの?」

 と質問してきた。

 

 なのでオレは、なんのためらいもなく

「顔がタイプだから」

 と、ニヤついた。

 

 すると桜乃さんの表情が、一気にさめたっぽい?

 

 なんか…

 

 スンッて、なったね?

 

 いきなりのスン顔…

 

 なぜだろう?

 

 顔を褒められて嬉しくないのか?

 

 この一軍の陽キャに褒められたんだよ?

 

 なんでスンッ?

 

 嬉しすぎて、真顔フリーズかな?

 

 

「あの…ごめんなさい」

 

 そう聞こえたのは、空耳だよね?

 

 今のって、空耳…か、それとも桜乃さん以外のどなたかが、ごめんなさい…そこどいてくださいって言ったんだよね?

 

 ね?

 

 ねっ⁇

 

「あなたとは、付き合えません」

 

 やっぱり…

 

 やっぱり言ってる。

 

 オレに向かって言ってるっぽい。

 

 はぁ?

 

 このオレだよ⁉︎

 

 このオレさまが付き合ってあげるって、一軍でもないあなたにおっしゃってあげたのに、ごめんなさい?付き合えません?

 

 はぁ?

 

 …

 

 バカな女。

 

 オレは、どうでもいい感じで

「おけ」

 と、そっけなくいい一軍の元へ普通に溶け込んだ。

 

 一軍陽キャ仲間は、オレを含めて六人で構成されている。

 

 篤人あつとりょう侑実ゆうみ里香りか由華ゆかがいる。

 

大介だいすけー、なんかあったの?隣の席の桜乃ちゃんと」

 一軍のリーダー的ギャルの侑実がオレを不思議そうにみながらきいてきた。

 

「あ、ううん。たいしたこと話してない」

「そ?じゃゲームしよー‼︎」

「「「「「「おー」」」」」」

 

 その後、オレたち一軍は休み時間馬鹿騒ぎした。

 

 休み時間が終わると、オレは何事もなかったかのように席につき、それからは桜乃さんとは、とくに会話をしなかった。

 

 まあ、元からそんなに会話なんかしてなかったしな。

 

 

 別に桜乃さんなんて、どうでもいい。

 

 だって、オレはモテるからねー。

 

 …

 

 なんて強がってみたけど…実際にはぶっちゃけショックだったのは、間違いない。

 

 だって…

 心に漬物石のせられたのか?ってくらい重いんだ。

 

 …

 

 なんでだろう?

 

 オレはモテるんだぞ?

 

 女なんか…たくさんいるのに…

 

 選び放題なのに…

 

 …

 

 ふと気づくと…なぜか桜乃さんを目で追ってしまう自分がたまらなくアホくさくなる。

 

 なんでだよ…

 

 なんで…

 

 …

 

 オレは一軍なんだ‼︎

 

 あんな、一軍でもない大人しい女…

 

 …

 

「どうしたー?」

「あ、ううん」

 休み時間、侑実に声をかけられて慌ててゲームに戻った。

 

 

 そんなくだらないオレの日々が、突然ガラリとかわる事件が起きた。

 

 

 それは、放課後だった。

 

 うっかり携帯を机に忘れて、慌てて教室に戻ると、侑実たちの声がしたんだ。

 

「わたし、こいつきらいー」

「えー、わかるー」

 と、なにやら話していたんだ。

 

 でも…そんなことどうでもよくて、携帯携帯と思って、ドアをガラッとあけると…

 

 ?

 

 どうやら、桜乃さんの机を囲んでいた侑実たち。

 

 なぜだろう?

 

 桜乃さんがいるならまだしも、桜乃さんがいないのに、なぜ桜乃さんの席に?

 

 

「…あっ、あれっ?大介じゃん。どうしたの?」

 と、侑実がなぜか慌てた様子でバッグを机に置いた。

 

 ?

 

「うっかり携帯忘れた。侑実たちは、なにしてんの?今からオレたち遊び行くけど、来る?」

 

 オレの質問に侑実は、少し慌てた様子で手を後ろにパッと隠した。

 

 ?

 

 ペン?

 

「あー、うちらは…今日は大丈夫かな」

 

 

 よくわかんないけど、じゃあなって言ってオレは携帯を持ち、待ってる友達のところに向かったんだけど…

 

 でも、なんで侑実たちは…桜乃さんの机を囲んでいたのだろう?

 

 

 

 次の日、それがなんだったのかすぐにわかった。

 

 席につくなり、オレは見てしまった。

 

 机の角にインクで消えろってかいてあったのだ。

 

 てか、机のあっちこっちにめっちゃ落書きされてるじゃん。

 

 

 一番前の席だったオレたち。

 

 先生が教室に入るなり、桜乃さんの机に一瞬で気づくのは、間違いない。

 

 

 これって…

 

 昨日携帯取りに戻ったときは、桜乃さんの机の上に侑実たちのバッグがあったから、全く気づかなかったな。

 

 

「桜乃さん、立って」

 桜乃さんは、小さな声で

「えっ?」

 って言ったんだけど、

「ほら、早く」

 と、オレは桜乃さんの机と自分の机を交換した。

 

 

 

 続く。

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